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2013年6月15日 (土)

拝啓─韓国大統領・朴槿恵殿

表記について、「リベラルタイム」誌7月号に堤堯氏の論考が掲載されました。「リベラルタイム」誌のご好意により、転載いたします。堤堯氏、「リベラルタイム」誌の渡辺美喜男編集長、そして佐藤由佳氏に感謝申し上げます。

榊 博文

 

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月刊『リベラルタイム』20137月号

連載「永田町仄聞録」 146

堤堯(つつみ・ぎょう)◎ジャーナリスト

 

 

拝啓─韓国大統領・朴槿恵殿

 

朴槿恵殿 貴女がバラク・オバマ大統領に訴えた「正しい歴史認識」について、こちら日本側の「歴史認識」を申し述べます

 

 

 報道によれば、貴女はバラク・オバマ大統領に膝詰めで訴えた。

「日本は過去の歴史を直視し、正しい歴史認識を持つべきだ」

 と。これを受けて、アメリカ議会も同じ趣旨の要望を日本に向けてアナウンスした。ならばこちら日本側の「正しい歴史認識」を披露します。まずは「過去」からです。

 

 日本は貴女のお国・朝鮮を清国から独立させようと、国運を賭けて日清戦争を戦いました。我総理・伊藤博文は清国宰相・李鴻章と下関条約を結び、その第一条で「朝鮮の独立」を約束させました。ところがお国の李朝宮廷は内紛で腰が定まらない。一向に独立の気運を示さない。そこにロシアがつけ込んできた。

 

 ために日本はまたもや国運を賭けて日露戦争を戦い、ロシアを撃退しました。この戦いで日本の将兵十万人が亡くなりました。しかし、黄色人種が初めて白人を撃退したことは、白人の支配に呻吟していたアジア諸国を勇気づけました。

 

 結果、国際社会は日本による朝鮮の委任統治を認める。反対した国は一つもありません。日本の二つの戦争がなければ、朝鮮はロシアか中国に掠め取られ、モンゴル、チベット、ウイグルのようになっていたでしょう。現在のようなお国の繁栄はまずは望めません。

 

 伊藤はなおも朝鮮の独立を望み、一部の併合論に反対しました。併合はコストがかかりすぎると見たからです。その伊藤をお国の安重根が暗殺しました。小生は安重根を祀る廟を訪ね、彼の雄渾な文章と能筆に感嘆したことがあります。日本の要人らが競って彼の揮毫を望んだのもムベなるかな。彼は紛う方なく立派な義人でした。でも、彼が伊藤を暗殺したために、日本は朝鮮を併合するに至ったのです。伊藤が生きていれば併合はなかったかもしれない。

 

 朝鮮人の多くが日本名を名乗りたがった。その要望に応えたのが創氏改名で、これは強要したものではありません。朝鮮名のまま日本と協力して、お国の発展に尽くした人はたくさんいる。貴女のお父上・朴正煕大統領も、若いころは高木正雄姓を名乗り、日本の陸軍士官学校で学びました。父上は日本の明治維新を研究し、国づくりの範としました。

 

 大統領に就いた父上は、日韓条約で日本から五億ドルの資金協力を引き出しました。当時、日本の外貨準備高は一八億ドル。なけなしのカネをはたいてお国を助けたわけです。

 

 日本の統治時代、日本はお国の社会インフラの整備につとめ、投下した資本は、いまのカネに直せば九兆円とする試算もあります。よく「日本の植民地支配」といわれますが、日本ほど国費を割いて「植民地」のインフラ整備に投じた国は西欧列強には例がありません。

 

 日本はお国に京城大学、台湾に台北大学をつくりました。ともに日本の帝国大学より宏壮な学園です。そして有為の卒業生を日本の帝大卒と同様に登庸しました。西洋列強で、そのようなことをやった国は一つもありません。ですから台湾の元総統・李登輝さんは「私はもとはといえば日本人です」と、誇らしげにおっしゃるのです。

 

 西欧は植民地から撤退する時、投下した資本を残らず請求しました。くらべて日本は九兆円の資産を残して引き揚げる。日本が残したインフラをベースに、前述の五億ドルと技術協力を得て、お国は「漢江の奇跡」と称される経済復興を成し遂げた。それらがなければ、サムスンもヒュンダイもありません。

 

後回しにされた個人補償

 

 日韓条約は「これで互いに貸し借りは一切なし」と定めました。いわゆる「個人補償」も含めてです。以下は父上の特使として条約のまとめに当たった金鐘泌(のちの首相)がNHKの特番で明かした話です。

 

「大統領、このカネをどう使いますか、一部は個人補償に回したほうがいいと思いますが」

「いや、このカネは全て国の経済復興にまわす。個人補償は国が豊かになってからでいい」 

 

 そんなやり取りがあって、父上は五億ドルを全て財閥の育成に充てました。財閥を育てなければ、外国の大手資本に収奪されるからです。この父上の決断がなければ「漢江の奇跡」は起こり得なかった。ただしその際、個人補償の一件はひた隠しにして国民に告げませんでした。

 

 もう一つ、父上が国民に隠したことがあります。条約を結ぶ際、お国の特使は五億ドルの主旨を「賠償金」として、両国の議会に認識させたかった。対して日本は「経済協力」としたい。お国と戦争をしたわけでもなく、併合は国際法に照らしても合法的なもので、「賠償金」を支払ういわれはありませんから当然です。

 

 結局、双方合意の上で、それぞれの主旨を、それぞれの議会に報告しました。ところが、日本の議会では違う主旨をいっている、おまけに五億ドルは少なすぎるとして、お国では暴動が起こった。父上は軍隊を繰り出してこれを鎮圧しました。

 

 さらに、「個人補償を含めて一切の貸し借りなし」とする約定を知らされないお国の国民が、個人補償を求めて日本の法廷に訴え出るケースが続出しました。日本の裁判所が日韓条約に則り、訴えを認めなかったのは当然です。

 

 のちに約定の存在を知らされたお国の国民は、当然のこと韓国政府や、五億ドルの恩恵に与って大を成した企業に、補償を求めて訴訟を起こしました。いわゆる「従軍慰安婦」を含めです。ところがこれがラチがあかない。そこで日韓条約とは別個の問題だとして、再び日本に向けて持ち出された。

 

 貴女のいう「正しい歴史認識」には「従軍慰安婦」をも含むようですが、そもそも従軍看護婦や従軍記者という言葉はあっても、従軍慰安婦という呼称は聞いたことがない。これは朝日新聞の造語です。目下、「従軍慰安婦裁判」が係争中ですが、これを盛んに書き立てる朝日の植村某記者の妻は韓国人で、その母親が裁判の原告です。語るに落ちるとはこのことです。

 

 戦争に行った中内㓛氏(ダイエー創業者)に訊いたことがありますが、「従軍慰安婦? 慰安婦はいたけど、そんなものは聞いたこともない」といいます。彼によれば、

「朝鮮人の慰安婦もいた。一回一円から二円の料金を取り、将官クラスを上回る収入を得て、家族に仕送りもし、かなり貯金もしていた。人類最古の職業に従事していただけで、私ら兵隊より旨いものを食べ、いい暮らしをしていましたよ」

 

米軍が要請した慰安所

 

 当時、日本の兵隊の給与は月に十円ほどでしたから、かなりの料金です。男性に慰安を与え、対価としてカネを受け取る職業は、古代から現在に至るまで多くの国で続いています。呼称はともあれ、この種の職業は今後とも存続します。これを怪しからんといっても始まらない。

 

 ですから、いわゆる「従軍慰安婦」の問題は、詰まるところ強制性の有無に帰着します。河野談話は「日本軍による強制の証拠は見つからなかったけれども、その疑いは拭い切れない」としました。

 

 借金のカタに女性をかき集め、軍のあとを追った業者はいました。業者の中には、創氏改名で日本名を名乗る朝鮮人も多かったと聞きます。お調べ下さい。いずれにせよ日本軍による強制の証拠は見つからなかったのです。

 

 一方、日本を占領した米軍は、日本政府に慰安所の設置を要請しました。政府は一億円の国費を割いて、これに応じました。その経緯は公文書に残っております。つまり証拠があるのです。貴女がオバマ大統領との会話で「従軍慰安婦」の問題に触れたかどうかは、報道を見る限り分かりませんが、もし持ち出されたとしたら、彼は内心、当惑したのではないでしょうか。

 

 かつて日本の村山富市内閣は、官民共同で「アジア女性基金」(女性のためのアジア平和国民基金)を設立し、「慰安婦」を自称する女性ら二百八十五人に補償金を支払い、村山総理名で謝罪の手紙も出し、この基金は二〇〇七年に役目を終えて閉鎖されました。その事実をお国の国民はほとんど知らされていない。

 

 この問題は、もとはといえば貴女の父上が個人補償を後回しにしたことに端を発しています。その尻拭いをするのは娘の貴女の責務ではありませんか。以上がこちらの「正しい歴史認識」です。どこか間違っていますか?   (文中一部敬称略)

 

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