三浦朱門『人生の荷物のおろし方-もう一花咲かせる』
競争人生から早めに「おりて」、人に軽蔑されながらも自分の趣味にいそしみ、人生にもう一つ別の種類の花を咲かせようという本です。気がつけば私も今年で48になるので、これまでたいした荷物は持っていないのにもかかわらず、そろそろその荷を下ろすことを考えた方がよい年齢になってきました(もっとも、人生をおりる前にどこにも登ってすらいないというか、最初から人生を下りていたような気もしますが)。
本書の特徴は、実に多くの面白い人々についてのエピソードに満ちていることです。これらの数々のエピソードだけでも大いに読者を勇気づけてくれます。
もっとも、趣味にいそしむといっても、決して個人の努力をないがしろにしているわけではありません。趣味には本当は大変な忍耐と努力が必要なのですが、人は好きなことには苦労を厭わないので気がつかないだけのことです。その意味では本書は本当は人生に対して大変真面目な硬派の本なのです。
(光文社1999年829円+税)

