『大学通信教育共通教材 哲学』
8日から10日まで突然ピンチヒッターで通信教育部の哲学のスクーリングが入ったため、教科書として読まざるをえないはめになりました。読んでみたら、ふつうの退屈な概説書ではなく、それなりに工夫のある教科書だということはわかりました。それぞれの分担執筆者が意欲的な論考を寄せた形になっていて、中には面白い論考もありますが、参考文献がほとんど外国語の気合いの入った研究論文のようなものもあって、初学者にはあまりにも親切ではありません。というわけで、かえって教科書としては使いづらいものになっています。書かれた時代が昭和61年ということもあって、木田元がマルクスに高い評価を与えていたり、沢田−小泉論争なる慶応大学内の論争がとりあげられていたりと、歴史的資料のような記述があったりもします。
それにしても、哲学の初学者向けにもっと面白い本が書けないものかと思います。たとえば哲学の伝統的問題についての考え方が示されているような、気の利いた演習形式の本を誰か作ってくれないでしょうか。
(財団法人私立大学通信教育協会編昭和61年非売品)
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