ジョン・ロック『人間悟性論 上巻』
このところスクーリングと普段の講義が重なって週12コマをこなしたりしていて、へばり気味です。電車の中では昏睡状態でなかなか本が読めません。そんな中でようやくロックの上巻を読み終えました。この本だったから時間がかかったという面もありますが、これはいろいろと驚かされる本でした。予想以上にスケールの大きな思想家です。原書に当たってじっくりと研究してみたくなる本です。
ロックの特徴は常識 common sense の論理で押し通すところにあると思います。ヒュームのような直感的な飛躍はないのですが、かなりの論理好きなので、その鋭さに思わずうならされることがしばしばありました。「実体」概念のいい加減さを論難するところは特に説得力があります。クリスチャンらしく霊体や霊魂といったものにはそれなりの意義を認めて論究するところがあって、好感が持てます。このあたりがヒュームとの最大の違いかもしれません。そのヒュームででももちろん現代の単なる論理主義者とは全く違います。現代思想というのはもっともっと平板で退屈だったりします。自己宣伝は派手ですが、そんなものに若いときはだまされますからね〜。
この下巻を読んだら、この完全版の『人間知性論』全4巻に進むつもりです。
(加藤卯一郎訳岩波文庫1940年)
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