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2007年1月31日 (水)

ベルクソン『思想と動くもの』河野与一訳

 ベルグソンは好きな哲学者の一人です。本書は河野与一訳を木田元が見直して、昔3分冊で売られていたのを一冊にまとめたものです。こうやってまとめられると、一冊として著者がまとめた意図も少しばかりうかがえるような気がします。
 翻訳はかなり正確かつ忠実に訳出されている感じです。ただ、訳語がちょっと独特で、知性で意味が通りそうなところを悟性としたり、合理論が理性論になっていたりで、少々気になりました。きっと訳者には深い考えがあってのことでしょうが、ベルグソン本人はそんなに厳密に使い分けるような人でもないような気がします。
 本書の論考の中では「哲学入門」が一番刺激的でした。時折実に鋭い指摘があって、ついつい欄外に自分が今考えている問題を書き込んだりしてしまいました。本書で今までよりもベルグソンが身近に感じられるようになりました。以前手に入れた坂田徳男訳の『時間と自由』も、これを機会に、読んでみようと思います。

(岩波文庫1998年800円+税)

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2007年1月30日 (火)

アンネット・カズエ・ストゥルナート『ウィーン わが夢の町』

 文字通り壮絶で波瀾万丈の人生を送ってきたウィーンのオペラ座団員歌手の自伝です。印象に残る話がたくさんありました。大陸では日本兵から文字通り命を賭けて身を守ってもらい、3度の自殺未遂をすべて人に助けられ、アメリカでは暴漢たちに殺されそうなところを間一髪で助けられ、ポーランドでは道に迷っても大勢の人びとが歌って踊って励ましてくれました。子どもの頃いじめられたときには青大将や狐や狸が拠ってきては慰めてくれたり、亡霊が現れたりと、本当にどういう星の下に生まれたのでしょう。人間を含むいろんな霊的存在が彼女のために尽くしてくれているようです。向こう側の世界に常に片足つっこんでいるようなところがあります。きっと深く濃い歌声を聴かせてくれるのでしょうね。機会があったらその歌声を聴いてみたいと思います。
 かのカラヤンが彼女の存在を団員に認めさせ、しっかり守ってくれたシーンは印象的でした。団員の人種差別もそれ以来一切なくなったそうです。カラヤンの指揮はあまり好みではありませんが、本書を読んで少なくともその人間性はすばらしいことがわかりました。

(新潮社2006年1400円+税)

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2007年1月29日 (月)

西加奈子『通天閣』

 これも秀逸な作品でした。著者は実にサービス精神豊かな作家だと思います。私が大学時代によく読んでいた70年代から80年代にかけてのわが国のいわゆる純文学は、文体にだけは執着を見せていましたが、話の展開の面白さといったことにはあまり神経を使わずに、やせ細った詩や思想を志向しているようなところがありました。ひとことで言って退屈でつまらなかったのですが、その当時、こんなに種も仕掛けもあって楽しませてくれる作家はあんまりいなかったような気がします。
 それにしても、大阪のミナミに生息している怪しげな人たちを、まったくクサくなく活写できる筆力は本当に大したものです。著者はイランのテヘランで生まれてエジプトで育ったとのことですが、そのせいか、独特の視点から人びとを本当によく観察していると思います。ヘンな人間の標本を楽しみながら作っているような感じです。
 ところで、町工場で働く主人公のひとりである44歳のおっさんの独白文体が、評論家の勢古浩爾の文体に似ていて、思わず彼の著書に載っていた肖像写真を思い浮かべてしまいました。
 読後感のいい本です。

(筑摩書房2006年1300円+税)

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2007年1月27日 (土)

西加奈子『さくら』

 「さくら」というのは主人公一家の飼っている犬の名前です。人生の繊細で壊れやすくひりひりしたところと、その壊れそうでいて、そこから立ち直って這い上がってくる力強さとが見事に構成されて、それぞれのキャラクターも丁寧に書き込まれています。性のことも重要なテーマになっていて、ちょっと苦手な気がしましたが、結局なるほどと思わされました。愛がテーマですから、避けて通れません。それも深くて大きな、たぶん神の愛に通じています。そういうものがないと人生立ち直れませんからね。別にキリスト教文学ではありませんが、そう読もうとする向きには十分そう読めるところもあります。思想として深いのです。
 いくつもいい場面があり、随所にこれ以上ないほどの絶妙の描写が冴えています(「若干五歳」という表現だけは気になりましたが)。最終章の大晦日の一家での軽自動車での暴走もいいシーンでした。泣かせてくれます。ほんと、よくこんな見事な小説世界がつくれるものです。半端な才能ではありません。

(小学館2005年1400円+税)

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2007年1月26日 (金)

西加奈子『あおい』

 日垣隆が絶賛する小説家ということで、読んでみました。これはデビュー作ですが、文章が、めちゃうまで、語り口も絶妙です。青春グラフィティです。こんな文章、私は書けません。書けてたら人生違ってたことでしょう。ひょっとして劇的に不幸になっていたかもしれません。宇野浩二の『苦の世界』をちょっと思い出しました。どこかふわふわと漂うような明るさと呑気さがあります。でもまだ今読んだ限りでは、三浦しをんの小説の方が好みです。
 そういえば、ついでに買った絵本『きいろいゾウ』も、いいお話でした。絵も描くのですね。色遣いが新鮮な絵でした。

(小学館2004年1260円)

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土井健司『キリスト教を問いなおす』

 知的刺激に満ちた良い本です。キリスト教の本来持っていた可能性と輝きがわかりやすく説かれています。キリスト教の本質が、具体的な「わたしとあなた」という個別的な(たとえば目の前に倒れている人を助けるといった)関係に基づいていて、そこから「社会をまとめるために引かれた境界線を乗り越えること」(56頁)にあるという主張は説得力を持っています。さすが現役の牧師さんです。理論ではなく「現場」のキリスト教という感じです。
 世の中のすべての分野が現場をおろそかにする趨勢にある中で、宗教が現場を取り戻すのは意味のあることです。とりわけ宗教の場合は容易に一般化され、原理主義へとなだれ込む危険に満ちているからです。
 本書の「わたし-あなた」関係というのは著者もあとがきで述べているように、ユダヤ教の思想家マルティン・ブーバーの思想にヒントを得たものですが、こういう展開も可能だったのかと唸らされました。ただ、ブーバーはともかく、キリスト教の我-汝の関係は神のほうが「われ」で、人間は「神の他者としての汝」だと理解した方がいいのではないかと、ウォーコップの影響を受けた私なんかは考えてしまいます。
 それにしても今日ではアメリカにしてもヨーロッパにしても、キリスト教国家を自認する国ほどキリストから離れてしまっていて、いったいこれからどうするんだろうと、他人事ながら気になります。そして、わが国のようにキリスト教嫌いの「無宗教」という独特の信仰空間に成り立っている国の行く末は、当然ながら、もっと気になります。

(ちくま新書2003年700円+税)

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2007年1月24日 (水)

山崎勇夫『仏教の源流 その知と信』

 原始仏教の形を探るとともに、現代における仏教の可能性が追求されています。キリスト教でいうと理神論の方向に似て、著者の言葉で言えば、「知を信へ」と変えようとする試みです。知が本当に信に変わるかどうかは定かではありませんが、仏教と科学は矛盾しないどころか親和的であると著者が力説するところは大変知的で力がこもっています。これがもっと力がこもってくると「信」になるのかもしれません。
 いずれにしても仏教は「理法」を知るところから出発して、実に理詰めにできていることがわかります。むしろ科学の方がずっと非合理的で直感的なところがあります。ただ、本書では残念ながらその「理法」が何なのかははっきりと定義されているわけではありません。それで、どうやらそれはスッタニパータという原典史料を読むしかなさそうなのですが、中村元の邦訳『ブッダの言葉』(岩波文庫)がそのスッタニパータの翻訳だったとは知りませんでした。長年積ん読状態になっていましたが、近いうちに本棚から引っ張り出して読んでみようと思います。

(里文出版2002年1300円+税)

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2007年1月23日 (火)

日垣隆『個人的な愛国心』

 情報量が多く、内容の濃い本です。コラムを集めただけのことはあります。こういうのは続けて読むと結構つらかったりしますが、重苦しくならずに最後まで読み通せるのは、切れのいい文体とユーモアのセンスによるものかと思われます。また、コラムの中に最低一つ以上は客観的な事実やデータが、それもたいてい驚かされるようなものが示されていて、感心します。さすがです。新聞のコラムとはレベルが違います。
 昨年幼女殺人で死刑判決を受けた小林薫に対して、かつて妙な判決を出したことのある奈良地裁の裁判官の実名なんかもしっかり載せてあります。飲酒運転と無免許運転で懲役を求刑された中日新聞の元記者は、毎日アルコール漬けの状態で、名前こそ出てきませんが、同新聞社の論説主幹の息子で、コネ入社組だったとか、ほとんど誰かわかってしまいます。著者はこうしたふざけた事態に抗議して中日新聞の連載を降りています。闘う姿勢が素晴らしいですね。

(角川書店2007年686円税別)

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2007年1月21日 (日)

日垣隆『頭は必ず良くなる』

 「サイエンストーク」というラジオ番組のインタビューから生まれた本で、以前読んだ『天才のヒラメキを見つけた!』の第2弾です。今回も多彩なゲストで楽しませてくれました。池谷裕二、岸本裕史、佐藤達哉、和田秀樹の4名です(岸本氏は最近お亡くなりになりました)。それぞれのゲストが興味深い話をしていますが、以前の本の岡野工業の社長のような破格の人はいませんでした。しかし、それにしても驚かされたのは和田氏の著作の量で、2004~5年の間に99冊の本を書いているのですね。
 本書では随所に勉強に対する心構えや具体的なこつにも触れられていますので、受験生なんかは参考にするといいかもしれません。もっとも今の時期からだと浪人覚悟ですが、日垣隆の数学の勉強法はすごいですね。二次試験には間に合うかもしれません。和田氏の言う灘式もそうですが、数学は解法を暗記することにつきるというものです。苦手な科目がそういうものなんだということがわかるだけでも、福音でしょう。
 要するに、この科目はこうだという見通しが得られれば、各人で戦略の立てようもあるわけで、学力再生というのも、そうした見通しを与えることができる先生を養成することが急務なのかもしれません。ただ、教育大学で教育学の先生から教わっているだけではこの力は養えないと思います。

(WAC2006年933円+税)

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2007年1月19日 (金)

池田晶子『知ることより考えること』

 著者は、わが国では珍しく自分の言葉で考える哲学者で、生と死の区別がつかないところまで考えては現実世界に時々戻ってきているような人です。哲学の巫女とはよく言ったものですが、この人の文章はクセになります。新刊が出たらつい買って読んでしまいます。当たり前のことがきっちりと考えられてかかれているのですが、実はふだん人があまり考えないことなので、かえって新鮮に感じられます。
 たとえば、善悪の基準は心の中にあって、人はその都度判断を下しているのに、規範を設定することで、判断を下す自由とその能力を失ってしまうことなどが、犬の散歩の話題の中できっちりと書かれているという、ちょっと変わったエッセーです。
 思うに、本書所収の文章のほとんどは週刊新潮の連載でもあり、このことは以前にも書いたような気がしますが、故山本夏彦の文章の雰囲気を継承しているようなところもあります。実際、夏彦流にいえば著者も「ダメの人」の仲間です。
 そもそも哲学者なんて、ダメの人以外の何者でもありません。昔テレビで放送された「ムーミン」に出てくる哲学者は「ムダじゃ、ムダじゃ」と言ってハンモックで昼寝ばかりしていましたが、そんな感じです。あの哲学者はおそらく思考していたのです。それで、たまにこちらの世界に戻ってくると、すべては「ムダじゃ」と言うことになるのでしょうが、なぜか必ず2度「ムダじゃ」を繰り返すのもこれまたムダだったりします。当時は気が付かなかったのですが、あれは意外に秀逸な人物造形だったのかもしれません。
 著者もおそらく普段はトリップしていて、たまにこちらの世界に戻ってくるために、こんなエッセーになるのでしょう。この世の人であるようでないような著者には、世の中のふつうとされていることも、かなり奇妙に見えているはずです。
 最後に、気の利いた指摘があったので、引用しておきます。
 「『金持ちになりたい』と言う子が可愛くないのは、それが『夢』ではなくて『欲望』だからである」(58頁)
 うちの職場にもちっとも可愛くない、それも子どもではなく老人がたくさんいらっしゃって、周囲があきれるほど欲をかいてばかりで、本当に難儀しています。屍に群がるハイエナさながらで、悪夢そのものです。

(新潮社2006年1200円税別)

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2007年1月18日 (木)

長谷川慶太郎『知識ゼロからの数字でわかる日本経済のよみ方』

 著者の数字の読み方がよくわかります。参考文献もついていて、情報を思いっきり公開している本です。と言っても、私に同じことはできませんが、勉強になります。今までの著者の本で感心したことの根拠がたどれます。図版も多く、わかりやすい作りになっていますが、データ以外のところにも興味深い指摘があります。

 1971年のスミソニアン合意で円の切り上げが決まった頃、昭和天皇は当時の水田大蔵大臣に対して「円の価値が上がるというのは、日本人の働きが国際的に高く評価されるということだ。日本の新聞は逆のことを書いているようだが、むしろ喜ばしいことだと思う」(37頁)とおっしゃっていたそうで、昭和天皇に経済学者の資質があったのかと感心させられました。

 昭和天皇には戦闘機や軍艦の模型を集めて遊ぶ趣味があったとも聞いたことがありますが、それを書いた本は出版されるやいなや、あっという間に回収されたと叔母から聞いたことがあります。大学で経済学を教えて、ご自宅で趣味として模型収集をするような人なら、何も問題はなかったし、十分面白い人として通っていたのでしょうが、戦前から国政に深くお関わりになっていたのが何より不幸の始まりだったのでしょう。

(幻冬社2006年1300円+税)

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2007年1月17日 (水)

長谷川慶太郎『大動乱の世界と日本 2007 長谷川慶太郎の世界はこう変わる』

 昨年末に出された本書では、ブッシュ政権の中間選挙敗北の理由はイラク問題ではないとのことで、早速言及されています。はたして「民主党はイラク戦争反対で与党を攻撃したわけではない」(220頁)とありますが、日本の報道を見ている限りではわからない事実を著者がつかんでいるかどうかは不明です。
 しかし、本書はやはり著者一流の貴重な事実の指摘と洞察が光っています。特に最終章の北朝鮮情勢の分析は、たぶんほかの識者は誰も言っていないような大胆な予測で、驚かされます。実際、北朝鮮の恫喝が中国に向けられているという主張は、彼らの独特の当てこすりを含む行動パターンからすると、説得力はあります。そう感じる私の頭にあるのは朝鮮族の中国人留学生のことで、あ、似てるかも、と思ってしまいました。自分たちより偉い人に対する抗議がストレートに相手に向かわないのが彼らの特徴だからです。
 はたして金正日は著者の予測どおり中国が始末に乗り出すのでしょうか。確かに、原油は止めていますしね。そうかもしれません。首領の亡命先も探しているようですし。

(徳間書店2006年1600円+税)

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2007年1月13日 (土)

長谷川慶太郎『甦った日本経済のゆくえ』

 日本製品の技術開発や諸外国での売れ行き等について、いつもながらわかりやすく解説してくれる点で、大変勉強になります。石炭を燃やしても硫黄酸化物が一切出ないボイラーを三菱重工業が開発していることや、日本酒が台湾で健康飲料として飲まれているとか、香港で日本製のコシヒカリが人気だといったことが書かれていて、へぇーっと感心させられることしきりです。
 また、軍事情報についても、1982年のイスラエルとシリアとの戦闘の結果示された、ソ連製最新鋭戦闘機とアメリカ製またはイスラエル製戦闘機との性能のとんでもない格差など、その後の国際関係と関連付けて解説されると、本当によくわかります。1991年のソ連の失敗したクーデターの理由を解説する際に、こういう視点を持った人は、私の知る限りほかにいなかったように思います。
 ただし、経済学的には著者は相変わらず貿易黒字や赤字の意味を教科書的にではなく解説するので、結果としては同じことになる場合が多いのですが、ちょっと違和感はあります。経済学の教科書が現実についていけてないという見方もあると思いますが、それならそれでもう少し合理的に言えるような気もします。ま、私の専門分野ではありませんが、おそらくほかに誰か指摘する人がいることでしょう。
 ところで、アメリカの「民主党が万一[イラクからの]『即時撤兵』を選挙スローガンにすれば、民主党の連邦議会議員は相次いで落選の憂き目を見る」(180頁)とあります。さすがの著者も、昨年11月の中間選挙で民主党があれほどまでに勝利するとは予想していなかったようです。珍しい大外れですね。

(実業之日本社2006年1400円+税)

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2007年1月11日 (木)

養老孟司『バカの壁』

 バカの壁は脳だという本です。ただし、ちょっと変わった本です。序文にあるように、著者へのインタビューを編集部が構成して文章化した本だとのことです。実際、話がしょっちゅう飛躍して、それが面白いとも言えるかもしれません。しかし、話がとっちらかっているという印象を与えるかもしれませんし、かなり不用意な発言(記述)もあります。私としては『無思想の発見』のような、ちゃんと書かれた本とは違って、意志と思考の持続が欠けているように感じました。
 しかし、実験の話には興味深いものがありましたし、身体や常識についての考察は面白いと思いました。また、所々に大変道徳的でわかりやすいメッセージがちりばめられていることが、本書がベストセラーになった理由かなとも感じました。全体にはそんなにわかりやすくはないはずなのですが。
 もっとも、これは、占いは当たらなくても、常識的で道徳的なメッセージで売れている細木数子の本と同じことなのかもしれません。編集部としてはしてやったりでしょうが、だからといって、同じやり方でいつもベストセラーが生み出せるわけではないのはつらいところでしょう。

(新潮新書2003年680円税別)

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2007年1月10日 (水)

長谷川慶太郎『2007年 長谷川慶太郎の大局を読む』

 謹賀新年。久々の更新です。1月7日の論文の締め切りに追われて新しい本が読めませんでした。この論文で書いたところを序章の一部にして、今年中に本としてまとめるつもりです。
 研究や執筆の条件は年々悪くなってきていますし、個室の研究室がもらえるのも3月までかもしれませんが、悪条件の中のほうがファイトが出ます。4大教員からの差別の視線に耐えながらというのもそれなりの快感があります。黙って役満をテンパっている感じに近いものがあります。はい、上がり、といきたいですね。
 今回の論文も電車の中で書きました。ただ、手書きなので入力作業に思いのほか時間をとられました。近々リサイクルパソコンとして、意外に使えるモバイルノートを安価で入手するので、今後はこの問題も解決すると思います。
 前の拙著も事務職だった時に(今も事務兼任ですが)書いたものですし、研究条件がいいから仕事ができるってものでないことは、まわりを見ていて重々承知しています。何てツッコミどころ満載の奴らなんだ。
 なお、本の方はかなり面白くなりそうです。哲学・思想好きの一部の知人友人諸兄姉は期待してください。私も買ってくれることを期待します。ウソ。進呈します。
 ところで、長谷川慶太郎の本は久々ですが、相変わらず貴重な情報が含まれています。私は中東の状況は不案内なので、ヒズボラをイランが支援しているというようなことが、すっきりわかって助かります。また、日本の工作機械が世界のシェアの24パーセントを占めるとか、GDPが世界の16パーセントでありながら、エネルギー消費量は5.3パーセントだとか、具体的に数字が示されていて、考える材料を提供してくれるのがいいところです。
 本当は自分で現資料を調べるべきなのでしょうが、軍事情報などはなかなかそうもいきません。その点で本書はずぼらな私のような読者にはおあつらえ向きです。わが国の将来について、楽観的にもなれますし、とりあえず2007年の天気予報でも聞くつもりで、もう何冊か読んでおくつもりです。

(ビジネス社2006年1500円+税)

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