ひろさちや『お葬式をどうするか―日本人の宗教と習俗』
わが国では仏教によるビジネス葬儀が主流ですが、本書によると実は、これが本来の仏教の精神からはかけ離れていて、江戸時代に形成された習俗に過ぎないものだということが、わかりやすく書かれています。勉強になりました。啓蒙書なら、かくあるべしという見本のような本です。
また、農地改革によってお寺から寺所有の農地が召し上げられたということも―その分、宗教法人としての税制優遇措置が受けられたのですが―かえって、仏教の宗教としての発展の邪魔となったことがわかります。お坊さんが日々農業にいそしみながらお経を上げるような状況ならちょっと違っていたのではないかと思われます。
著者の本は初めて読みましたが、わかりやすい語り口で、ファンが多いのも納得できます。著者の立場はストレートに原始仏教的で、まったく飾り気がなく爽やかです。これからも読んでみるつもりです。
ところで、それはそれとして、自分の葬式はどうしましょうね。
(PHP新書2000年税別)

