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2007年5月19日 (土)

河内孝『新聞社―破綻したビジネスモデル』

 わが国の新聞がすでに破綻しかかっているビジネスモデルだという著者の指摘はもっともです。新聞社内部の人だっただけに説得力があります。私は産経新聞の記事と朝日新聞の記事を父との間でいつも交換しているのですが、最近両紙ともに見るべき記事が少なくなっていて、ほとんど交換しなくなってしまいました。ひょっとしたら、記者クラブで事件が起こるのを待っているタイプの記者ばかりになりつつあるのかもしれません。あるいは、偏差値秀才ばかり採用して、官僚化してきているのかもしれません。ただその分、嗤うべきおバカな記事が増えてきているので、そのうちこの種のバカの標本を作る意味で、父親との記事の交換を再開しようかと思い始めているところです。
 いずれにしても、どこの新聞社でも、まともな記者が育ってきていないのではないかという気がします。新聞の購読をやめる人もこれからどんどん増えてくるのではないでしょうか。「インテリがつくってヤクザが売る朝日新聞」という秀逸な標語がありましたが、販売の方式も含めてすべての経営方針を点検し、大胆な改革を進めなければならないところに来ているようです。
 なお、本書では、各社がそれぞれ系列のテレビ局を有しているという事態の異常さについても、触れていますが、確かに諸外国と比較すると、このことが日本特有の現象であることがわかり、そのヘンなところがはっきりします。新聞なんか読まずに、その分のお金を携帯やデジタル放送等に払おうとする人が今後急激に増えてくることが予想されます。その日は意外に近いかもしれません。かくいう私も実は宅配をやめようかと考え始めているところなのです。

(新潮社2007年700円税別)

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