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2007年5月29日 (火)

西加奈子『しずく』

 著者の新刊短編集です。待ってました。いい話がたくさん詰まっています。どれも読後感がよくて、ちょっとだけ希望が持てるところがいいですね。いつもながら、観察の鋭さと、微妙な感情の綾を見事に文章化しているところが光ります。ちょっとベルグソン哲学の微妙さに通じるところがあると勝手に思っています。標題作の「しずく」とは猫の話でした。猫の観察と猫語が見事です。
 ところで、著者の名作「さくら」は犬の名前でしたが、今回の「しずく」は文字通り水滴でした。でも、古い家の台所の蛇口のしずくです。これを二匹の猫が喧嘩しながら舐めるところが、なかなかいいんです。また著者の次回作を、できれば長編を待ちたいと思います。

(光文社2007年1,300円+税)

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