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2007年7月18日 (水)

香西秀信『反論の技術—その意義と訓練方法—』

 議論においては、相手が言い返せない決定的な反論をすることができれば十分だということで、具体的に訓練方法までが丁寧に説かれている指南書です。高校の国語教員向けのレトリックの実践編です。先日読んだ同著者の『詭弁論理学』へとつながる本ですが、そのあたりは本書の「あとがきにかえて」が予告篇のようになっています。すなわち、大学において、若手の議論を先送りにして闇に葬る老教授陣の手練手管が触れられていますが、これはベンサムが「かたつむり論法」と呼んでいるそうです(182頁)。現実の議論に強くなるには場外乱闘に強くなることも必要だということで、「だから、議論に強くなるということは、嫌なことなのだ」と結んでいます。
 さて、本書で感心したのは、日本人の議論に欠けている心持ちについての指摘です。「もてなし」(エンターテイメント)の意識の欠如が、日本人の議論の最大の欠点なのだ(96頁)という指摘です。そこで紹介されているイギリスの議会での論戦は論者たちが揃ってなかなかのボケぶりで、素敵です。個人的には見習いたいものですが、一人でやるわけにもいきませんし、このあたりは、やはり伝統が違いますね。

(明治図書1995年1760円+税)

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