鈴木俊幸『江戸の読書熱 自学する読者と書籍流通』
江戸時代の庶民の究極の道楽が学問だったという話は聞いたことがありますが、それを裏書きするような本です。『経典余師』という漢籍の自学自習本がベストセラーだったというのは、それだけ学問に対する憧憬があり、需要があったということで、本当に驚くべきことです。今日のほとんど勉強しない生徒、学生たちのありようというのも、また、驚くべきことで、はなはだしきは「親に頼まれたから来てやってんだ」なんてほざくのもいるくらいです。まったく、同じ日本人とは思えません。
本書は、この『経典余師』を中心に、当時の書籍の流通と受容を実証的に調べ上げ、見事な社会学的考察を披露しています。本書所収の図版も見応えがあります。それにしても、江戸時代は面白いですね。
(平凡社2007年2600円税別)
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