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2007年7月25日 (水)

ドン・タプスコット、アンソニー・D・ウィリアムズ著井口耕二訳『ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』

 大学という閉鎖的で無能な人びとによる既得利権保護団体に属していると、いつの間にか自分の発想も凝り固まってしまいますが、本書を読むと、世の中の元気のいい集団は、大学とは正反対の原理で動いていることがよくわかります。それにしても、リナックス+IBMやイーベイやレゴやアマゾンに共通するオープン性は大したものです。この方向で進むのがやはり組織としても正しい発展なのでしょう。本書にあるように、組織をオープンにし、情報を共有し利用できるようにすることで、何十万人あるいは何百万人もの人びとによるブレーンストーミングが自然発生的に可能になるとしたら、すごいことになるのも道理です。トヨタの車なんかも、今よりもっと面白くなる余地があることがわかりますが、閉鎖的になると逆に、あっという間に他社に抜かれる可能性もあります。
 ともかく、自分でもこの原理を生かさない手はないのですが、さしあたり「落ちこぼれ大学生再生プロジェクト」とか、「わかりやすい社会学のテキストをみんなで書こう」といったようなブログを新たに起こしてみようかと思います。ほかに、大学の通信教育のための良問を募集したりすることも可能です。カテゴリーを別にしてここでやってみましょうかね。
 本書を読むと実際、閉鎖的な大学教育にあっても、いろいろとできることがあることがわかります。アイデアがいっぱい浮かんできて眠れなくなってしまいました。商売なんかやっている人にとっては必読書となるでしょう。
 もっとも、本書は単なるビジネス書ではありません。人間の創造性という点に関してもいろいろと考えるヒントを与えてくれます。今年一番の刺激的な本です。

(日経BP社2007年2400円+税)

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