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2008年5月13日 (火)

内田樹『女は何を欲望するか』

 フェミニズムを原理的に検討した本です。ただ、私はフェミニズムが元気が良かったときに3年ほど留学していたので、当時の情報がすっぽりと抜け落ちています。話題についてはどことなく歴史書を読んでいるような感じがしました。
 第1部のフェミニズム言語論は、理論的にいろいろと参考になりました。前にも書きましたが、ラカンの言っていることが、著者の解釈で腑に落ちるところが多々あり、こりゃ読まなきゃと思いながらまだ読んではいませんが、勉強になります。特に言語がそもそも「本当に言いたいこと」が言えない構造の内にあり、だからこそ他者に向けて、他者に代わって語るのだという指摘(124頁)は、法について考えるときにも当てはまりそうです。今書いている原稿に関係しているので、ラッキーでした。
 第2部のフェミニズム映画論は「エイリアン」シリーズの見事な分析で、映画が精神分析的な材料になるなんて、こうして論じられてみるまで気がつきませんでした。思えばハリウッド映画のような商業主義的大衆娯楽映画こそ、人々の様々な欲求が投影していると考えられますもんね。同シリーズからアメリカのフェミニズムと反フェミニズム感情の相克がみてとれると言われると、そんな気がします。
 ただ、だからといって個人的にはハリウッド映画のみならず映画自体あまり好きではありません。昔は毎日のように観ていた時期もありますが、役者が舞台に立ってくれる演劇の方がはるかにいいと思うのは、師匠の影響かもしれません。そう言えば留学中は毎晩のように演劇三昧でしたね。今から思うと夢のようです。
 と、こんなことを昨夜書いてアップしようとしたらうまくいかず、文章も失われてしまいました。残念でしたが、アレンジして書き直しました。今後は一度テキストファイルにしておいて、移すようにした方がいいかもしれませんね。

(角川書店2008年705円税別)

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