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2008年5月22日 (木)

長谷川慶太郎『中国「反日」の末路』

 著者の言っていることは、たとえば9・11テロのように、数年後に実現することがあるので、たまたま古本屋で見つけた本書を読んでみました。いつもながら、軍事情報については本当に詳しい人なので、いろいろと感心させられました。旧ソ連や北朝鮮の情報も貴重です。
 本書では中国全土をイントラネットにしているインターネット情報管理体制が携帯電話の普及により、本書刊行の2005年当時すでにほころびを見せていることが指摘されています。重慶の反日デモでは、警察官の銃に銃弾が込められていないという情報がデモ隊にあっという間に拡がって、警察官が殴る蹴るの暴行を受け、1万人の暴徒を4万7千人の警察官でも抑えられなかったという事態を生み出しました。
 先日の長野や早稲田大学でも、日本の警察官は中国人を逮捕しないという情報が(デマではなく事実でしたが)おそらくあっという間に拡がったのでしょう。かなりの日本人がボコられて、中国人への恨みが蓄積していますが、それはそれとして、この情報の素早さは間違いなく携帯電話ネットワークによるものでしょうね。
 今は日本人やチベット人を殴って意気揚々得意満面な彼ら彼女らが将来中国に帰国したときどのように行動するのかは、いずれわかることになるでしょう。この事態を一番恐れているのは中国共産党だろうと思います。
 今回の大地震が暴動の引き金にならないといいのですが、どうでしょう。

(東洋経済新報社2005年1500円+税)

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