岡野雅行『人生は勉強より「世渡り力」だ!』
著者の言う「世渡り力」というのは「人間の機微を知り、義理人情をわきまえ、人さまにかわいがられて、引き上げてもらいながら、自分を最大限に活かしていく“総合力”なんだよ」(18頁)とあります。このかわいがられ、引き上げてもらうというのがポイントです。
これと同じことですが、本書では「人が寄ってきやすい“スキ”をつくれ」という章があって、新鮮でした。著者の言葉では「スキは愛嬌なんだよ。『あのヤロウ、バカだねぇ』と思うから、何か言ってやりたくなるんだし、『あいつ、しょうがねぇな』と感じるから、なにかしてやりたくなるんじゃないか、そうだろう?」(35頁)ということになります。
そのとおりです。この戦略は人類学的にも社会学的にも哲学的にも理にかなっています。勝ち組みとやらになろうとして他人を蹴落とそうとばかりする人にはわからないところです。
本書は取材が上手なのか、他書と少し違う話を引き出しています。読みやすいつくりになってもいて、編集者の腕のよさが光っています。新刊ですし入手しやすくお勧めです。
(青春出版社2008年750円+税)

