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2008年10月28日 (火)

林成之『〈勝負脳〉の鍛え方』

 スポーツのコーチの書いた本かと思っていたら、脳神経外科のお医者さんの書かれた本でした。それもかなり優秀で独自の治療法を開発されている名医です。そのうちノーベル賞をもらってもおかしくないんじゃないかと思います。
 著者によると、人間が行動を起こして目的を達成するためには、著者によると次の三つの作業が必要だとされます。
 1.目的と目標を明確にする。(目的と目標はしっかり区別し、達成をイメージする)
 2.目標達成の具体的な方法を明らかにして実行する。
 3.目的を達成するまで、その実行を中止しない。
 それで、この三つを本当に実行していると、非常に困難と思われたことでも、時間はかかるかもしれませんが、必ず達成できると言います。これが著者の言うサイコサイバネティクスですが、あまり実証的でなくても、このように「必ず達成できます」(83頁)と断言されるだけでも力になります。たぶん脳は身体を造りかえる働きを持っているからでしょうね。
 実際、スポーツでは粘り強くあきらめずに練習していると、あるとき突然壁を破って身体がスムースな動きになります。これは著者の言う「イメージ記憶」が成功体験とともに定着したということなのでしょう。中高生にバスケットボールを教えていてもしばしば同じ現象を目にすることがあります。
 スポーツが題材になっていて、親しみやすいのですが、時折困難な手術を乗り越えた話も入ってきます。これはさすがに本職だけあって、実はかなりスリリングで感動的です。もっとこういう話も別に読んでみたい気がします。

(講談社現代新書2006年700円税別)

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