若林亜紀『独身手当―給与明細で分かるトンデモ「公務員」の実態』
若林アキさんから本名の亜紀に戻しての本です。著者が特殊法人を辞めたときの退職金をめぐるトラブルは、結局本人訴訟で勝利していたことがわかりました。訴訟をためらうような記述があったので気になっていましたが、よかったですね。正しい振る舞いだと思います。
それにしても本書は綿密に公務員の特権的身分待遇を調べています。官公労もグルになってひどいことをしていることがわかります。いずれにしても民間企業とは雲泥の差です。ま、民間にいても天下ってきた連中の働きぶりをみると、元の職場がどういうところだったかわかっちゃうものですが、これほどまでとは思いませんでした。 人間というのは愚かにも、特権を持てるようになるととたんに増長し不正を働くようになります。このこと自体官民に違いはありませんが、公務員の場合は自分で稼いだ金じゃないところが問題です。
いくらわが国が世界第2位のGDPを誇っていても、そのうちの4割が役人に流れ、700兆円以上の財政赤字を増やし続けているという状況は、やっぱり何とかしなくてはならないでしょう。
しかし、世界各国の状況をみてみると、逆に役人の腐敗がこの程度ですんでいるのはすごいという見方もできるかもしれません。感謝するわけではありませんが、わが国の公務員の無駄遣いの規模もまた人間のスケールにあわせて小さいのかも。
(東洋経済新報社2007年1500円+税)
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