木村剛『投資戦略の発想法2008』
投資なんて自分には縁がないと思っていましたが、今日のわが国の政治・経済状況を見ていると、だんだんとそんなことは言っていられない世の中になってきているような気がしてきます。かつて邱永漢氏が言っていたように、自分が働くばかりではなく、お金に働いてもらう=投資するというのも考えるべきことかもしれません。
この点で、本書は実にまっとうな投資の指南書です。なにせ、本書の初めの半分近くが節約と生活防衛費としての貯蓄のすすめだからです。これができないと投資はできないと言われるてみと、なるほどその通りです。
投資はギャンブルではいけないというのも著者の一貫した主張で、資本主義経済の本質をつかんでいれば確かにそう言えると思います。著者によると、資本主義とは社会全体が拡大再生産を予定し、それに向けて努力を続けるというあり方をしていて、その動因となっているのが飽くなき人間の欲望というわけです。そのため、資本主義経済においては、供給と需要が拡大しながら均衡していくことになるとのことです(157頁)。
したがって、資本主義社会は資本を最も効率的に使う人を賞賛し、賞賛の裏打ちとして、対価として資本の価値を上げることを社会全体が要請していると言います。「資本家が常にハッピーな状態であり続け、経済全体がつねにプラスになり続けていかないと、資本主義経済はうまく回っていきません」(同頁)。
資本家がニコニコしているなんて許し難いと嫉妬する向きもあるかもしれませんが、社会全体が豊かになると言うことは投資がトータルにみて必ず儲かるということでもあります。だったらみんな資本家になってニコニコしましょうというのが本書の主張です。
著者は株式投資についても、推奨銘柄なんかを一切述べたりせずに、これはと思う20銘柄くらいの株を分散して30年保有すると、年平均株価収益率は12%近い高利回りになると言います。なるほど。
私もさしあたり投資はしなくても、節約と貯金くらいはして生活防衛費を2年分くらいは作っておこうかという気になりました。このご時世ですから、社会保険が破綻し、職場がなくなる前にやはりこうした財テクを真剣に考えておくべきなのでしょうね。
大変だなあ。家内と相談しなきゃ。
(ナレッジフォア2007年1,800円+税)
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