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2008年12月26日 (金)

長谷川慶太郎『2009年 長谷川慶太郎の大局を読む』

 年末はいつもこのシリーズの最新刊を読むことにしています。世界経済の大局を読めば、アメリカのサブプライム問題もすでに終わっていて、金融機関は回復しつつあり、何のかんのと言ってもドルは強く、世界経済を牽引し続けるだろうとのことです。何という明るい見通しでしょう。
 また、中国はインフレとそれに伴う政治危機が迫っているが、わが国は鉄鋼業や土木建設業などの「重厚長大産業」が、国内のみならず、国外でのインフラ整備の必要から好調を維持するだろうとのことです。
 なお、トヨタの不調はすでにお見通しで、さすがです。自動車は常にモデルチェンジを強いられる「軽薄短小」を代表する商品だからだそうです。消費者の購買意欲を満たす製品を常に提供し続けなければならず、為替や原材料高などの経営環境の変化をもろにかぶってしまう宿命にあるからです。
 本書では世界経済を支える銀行引受手形(BA)の仕組みがわかりやすく解説されていて(57-58頁)勉強になりました。BA市場でドル建てで決済できない国は、リビアや北朝鮮のように、国際貿易の市場から閉め出されるというのもうなずけます。
 また、2006年にアメリカの公定歩合が引き上げられてもドル高になるという妙な出来事の要因が、日本がドルを積極的に買い続けたことにあるという指摘も納得できます。日本のドル買いの理由については触れられていませんが、著者は書いていないだけその事情はわかっていることでしょう。トヨタ車がアメリカで売れたはずです。
 今は逆の目が出てしまったわけでしょうけど、結構えげつなく政治と経済が結びついていることもわかります。でもまあ、いずれにしても車は不安定な産業だということがよくわかりました。

(フォレスト出版2008年1500円+税)

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