若林亜紀『サラダボウル化した日本』
わが国がいかに外国人労働者に依存しているかがよーくわかる本です。
著者はお役所世界の内部告発でデビューした人ですが、この手のルポルタージュにも見事な腕前を披露してます。いろんな人びとに突撃取材をしているところはかなりの行動力だと思います。東京の外国人セレブの奥様方の読書会なんて世界もあるんですね。
不法滞在の労働者の生活がどんなものかも少しはうかがい知ることができるので、中国などから来て失踪した留学生たちはこんな生活をしているのかと偲ばれます。山形県の某短期大学なんか、えらい目にあっていましたね。失踪者を出すほうも責任を問われるので、大変です。
本書で紹介されているように、全国でフィリピン人看護婦や介護士が重宝されているというのもわかる気がします。本当に明るい人たちですからね。何年か前に、まだ奉職先の大学にバスケットボール部があったとき(今は同好会です)、近くにある在日フィリピン人バスケットボールチームとよく練習試合をしましたが、チームが家族連れでやってきて、みんな本当に明るいお祭りのような雰囲気でゲームに興じていたのが印象的でした。愛知県で二位になったというだけあって、巧いし強かったです。ただ、約束の時間をいつも平気で2時間近く遅れてくるのには閉口しましたが。フィリピン時間ってあるんでしょうね。大学もまたメンバーが揃ってきたら、交流を再開したいものです。
それはそうと、本書で何より驚いたのは、結局わが国の厚生労働省の役人または天下り先の機関が、いわゆる就学生や研修生を低賃金労働者として企業に紹介しては、手数料その他を搾取しているということで、この仕組みを恥ずかしげもなく残しているのは先進国ではわが国だけだということです。
結局、これもお役所告発の本だったのですが、それにしてもえげつないことこの上ないですね。文部科学省と大学と留学生の関係も似たような構図ではありますが、ここまで非道ではありません。社会保険庁も相当でたらめですが、これには負けます。やくざ顔負けのやり口です。正直ぎょっとしました。
こんなところでエリートコースに乗って「渡り」を繰り返すと「ミスター渡り」のようないやらしさ全開の顔になるんでしょうかね。それとも、もっともっと醜い顔になるんでしょうか。いずれにしても、そんな連中に囲繞されているのでしょうから、それほど悪人には見えない舛添大臣が気の毒になってきます。
(光文社2007年952円+税)
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