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2009年2月 8日 (日)

武田邦彦『環境問題はなぜウソがまかり通るのか3』

 著者のこのシリーズの本も3冊目です。前2冊ではIPCCのデータをさし当たり尊重して書かれていましたが、本書はそこも徹底して追求しています。さらに、いい加減な報道を繰り返すNHKも槍玉にあがっています。
 確かに最近のNHKはますます環境問題に熱心ですが、その姿勢は私もちょっとひどいなとは思っていました。ま、いろいろな圧力もあるんでしょうが、カルト的環境保護団体みたいになるのはさすがにいただけません。
 著者の議論はしっかり実証的データに基づいているので説得力があります。科学者として当たり前のことですが、その当たり前のことをしないか、あるいはできない人たちがたくさんいることもわかります。これに世におもねるマスコミが加わって、世間の「空気」を作っていくのは、わが国の悪しき風習です。
 ふつうはこの空気に逆らうことは社会的には死を意味しますが、この思いっきり空気に逆らった本シリーズが、これで3冊目を数えるということは、わが国の良識が死んでいないことを意味しています。慶賀すべきことです。
 本書でとりわけ新たに感心させられたのは、森林利用率についてのデータです。ちゃんと利用しない限り旱魃財などが無駄に捨てられているというのが、この森林利用率ですが、日本は40パーセントです。フィンランドなんかはかつて90パーセントでしたが、今は自然環境保護ということで70パーセントに下がっているそうです。バカな話ですが、わが国はもっと情けないというより、お話にならない状況です。以前から林業をうまく立て直す必要があると思っていましたが、いいデータを教えてくれました。
 また、家電リサイクルのインチキについても開いた口がふさがりません。高い金取っておいて、国と企業がらみの絵に描いたようなインチキです。本書はこのシリーズの決定版ですが、前二著を読んでい人でも、本書をまず読んでみたらいいと思います。

(洋泉社2008年952円+税)

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