日下公人『2009年の日本はこうなる』
いつもながら、日本は心配ない、大丈夫、自信を持ちましょうという本です。長谷川慶太郎の本も趣旨はよく似ていますが、著者の本は天才的なひらめきに満ちていて、もう一つ壁を突き抜けた明るさがあります。
著者はまた、政府の要人や官僚とも言葉を交わす機会が多い人なので、彼らのナマの反応が窺われて興味深いものがあります。ODAをバラまく外務省のお役人に「国民はどうですか(喜んでいますか)」と突っ込むと、答えがなかった(48頁)といったくだりは、相手の当惑が目に浮かぶようです。
農協のでたらめぶりも本書では3頁くらいで概観できます。先日『農協の大罪』という本を買ったので、いい予習になりそうです。農業は日本に食料を輸出する国に技術や肥料や種子を提供して現地生産するというのは、すでに始めている人もいるそうですが、安全で良質な作物の輸入確保のためには妙案だと思います。
子どもを3歳まで育て上げた女性には1000万円を支給するというのも面白いと思います。「日本人は国際水準の二倍くらい賢くて、三倍くらい働き者で、四倍くらい精神が高潔で、五倍くらい文化水準が高いと考えれば、一人につき一千万円を払っても決して高い買い物ではない」(164頁)というのがその根拠です。なんて積極的で素敵な発想なのでしょう。
(ワック株式会社2009年1200円+税)
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