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2009年5月19日 (火)

リチャード・フロリダ『クリエイティブ・クラスの世紀―新時代の国、年、人材の条件』

 世界の幸せを引っ張っていくのはクリエイティブな人びとであり、そういう人びとが過ごしやすい都市が発展するという本です。創造性が新たな技術と製品を生み出すのですから、実にもっともな話です。それで、そういうクリエイティブ・クラスが育つための都市の条件として著者はテクノロジー(技術)、タレント(才能)、トレランス(寛容性)の三条件を挙げています。その指標の一つとしてゲイに対する寛容性を例に出したものですから、アメリカではかなり誤解され、攻撃されたようです。
 そういえばゲイに対する不寛容さはアメリカのような宗教的原理主義国家では、イスラム県ほどではないにしても、かなりきついものがあるのでしょう。その点でわが国は伝統的に寛容で、人気タレントもたくさんいるくらいです。
 案の定、著者たちの研究グループによるクリエイティビティの測定では、わが国はスウェーデンについて2位という位置に付けています。わが国がゲイの天国かどうかは別にしても、宗教的な価値観が文化に影響を与えていないということでは(宗教を経典宗教に限るなら)納得のいく話です。
 いずれにしても、才能のある人にとって居心地のいい場所であれば、世界中から面白い人がやってきてくれて元気な街や国ができるということは確かですから、近年、特に9/11以降寛容性を失ってきていたアメリカに対する警世の書ではあるのですが、わが国に対しては、われわれが気がつかない良さを教えてくれるところがあって、面白いと思います。 一方、本書を読みながら、勤め先のある岡崎市の活性化についての可能性を考えています。旧商店街をどのようにしたらいいでしょうね。いっそ大学のキャンパスを全部もってくるとかしてみるとどうでしょうね。
 実は、7月6日(月)にハンガリー関係の講演会を企画していますが、月曜日の午後にどれくらいの人が来てくれるかわかりません。現在、いろんなメディアで宣伝しては試しているところです。関心のある方は「知られざる思想家たち」のトップページなど覗いてやってください。お近くの方は是非足をお運びください。

(井口典夫訳ダイヤモンド社2007年2400円+税)

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