吉田智子『オープンソースの逆襲』
不特定多数の人びとに開かれたネットワークの創造性を最大限に引き出すのがオープンソースの畏るべき特徴です。グーグルがどういう仕組みで儲かっているのかということも本書ではっきりとわかりました。本書の説明もわかりやすく書かれていますが、おいしいラーメンのスープのレシピを公開した人びとをめぐるフィクションがところどころに挿入されていて、さらに理解を助けてくれます。マイクロソフトやリナックス、グーグルなどが登場し、ここ20年くらいのITの流れが鳥瞰できます。『ウィキノミクス』などを読んで、今ひとつわかりにくかったことも、本書を読むと実によくわかりました。
ところで今留学生たちの使っているパソコンがかなり古くなってきているのですが、これなんかも本書にあるように、WindowsをLinuxに入れ替えると当分快適に使えるようになるはずです。ITサポート部門の人に提案してみましょう。
それはともかく、いろいろなところに人びとの英知を結集する仕掛けを作ことによって、わくわくするような未来が開けてくるような気がします。組織としてのポイントはコーディネーターないしはネットワーカーをどのように活かすかということでしょう。リーダーはその見通しをもっているだけで、後は決断さえしてくれたら大丈夫なのですが、その決断ができなければ、逆に時代からどんどん取り残されてしまうでしょう。実際取り残されているところはどんどん倒産しています。
こうなってくるときょうびは「う、やっば、もう手遅れかも」と思っている組織人も少なくないだろうと思います。世はまさに乱世ですから、そういう人は自分でネットワーカーになるしかないでしょうね。でも、乱世だからこそ、実際に自分でやってみると案外簡単においしいラーメン屋さんが繁盛することもあるのかもしれません。
(出版文化社2007年1,429円+税)
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- ドイツ語で読む珠玉の短編(2026.06.23)
- 山本七平『小林秀雄の流儀』(2019.07.28)
- 田中圭一『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』(2017.02.20)
- 天外伺朗『宇宙の根っこにつながる生き方 そのしくみを知れば人生が変わる』(2017.02.19)
- 柴田昌治『「できる人」が会社を滅ぼす』(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント