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2009年6月10日 (水)

村上和雄『生命の暗号―あなたの遺伝子が目覚めるとき』

 著者の名前は産経新聞の正論欄でしばしば見かけるので、古書店で買ってみました。
 われわれの身体に指令を与える遺伝子は、無駄ともいえるようなとてつもなく多くの可能性をもっていて、その中から環境に応じてスイッチ・オンになったものが作動しているそうです。それがわれわれの身体の恒常性から進化までを支配しているのですが、ときと場合によってというか、何かのきっかけによって、今までオフだったスイッチが急にオンになると、突然見違えるような動きをし始めると言います。
 思えば、地球上に存在するあらゆる生物は同じ遺伝子暗号を使って生きているわけで、こうした遺伝子の精妙な動きを研究していると、神秘的なものに敬意を払わないではいられなくなるようです。著者は遺伝子の背後にある偉大な力のことを「サムシング・グレート」と呼んでいます。
 このサムシング・グレートに敬意を表しながら、「志を高く」「感謝して生き」「プラス発想をする」ということを著者は提案します。これがサムシング・グレートに喜んでもらい、遺伝子をオンにすることにつながると著者は考えていますが、なるほどそうかもしれません。実証的ではないのですが、世界的発見をいくつもしている著者の経験に裏打ちされた感覚は信頼に足るものだと思われます。著者はオカルトに陥るぎりぎりのところで踏みとどまっています。江原啓之のファンなら違和感なく入っていけると思いますが、そうでなくても、科学と宗教の本質は同じという考えは納得がいくものです。
 著者の思想はともかくとして、本書の中に出てくる世界レベルの科学者たちの熾烈な競争にはあらためてすごいなと思わされます。よくもまあこれに打ち勝って遺伝子解読についての世界的業績を打ち立てられたものです。すばらしい。
 最近の著者の本もこれをきっかけにフォローしてみます。

(サンマーク出版1997年1600円+税)

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