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2009年6月 9日 (火)

岡本吏郎『お金の現実』

 お金に対して著者はまず何よりも理性的なアプローチをすることを勧めます。それは貯金をするということです。株で一発大儲けなんてことは情念的アプローチであり、凡人には向いていません。そして、しっかり努力して実力を蓄え、10年たったらその貯金と実力という原資から著者いうところの「生け贄」を捧げるんだそうです。
 10年スパンで自分に投資しながら蓄えを作り、勝負するというわけです。これは経営者でなくても同じでしょうね。おそらく10年ごとに時給計算してみて、どーんと高くなっている人がいるとしたら、そういう人だろうと思います。
 著者はお金の怖さをよくわかっていて、成功する経営者には一種の狂気のごときものが宿っていることも知っています。だてに経営コンサルタントをやっているわけではないようです。きっとこれまでにもいろんな経営者を見てきたのでしょう。
 著者は経験上断言できることとして、多くの場合、お金が入ってくるときには私たちの実力よりも過剰に入ってくるということを挙げています(212頁)。要するにもらいすぎなわけです。このあたり、お金の神秘的な側面もよくとらえられていると思いますが、そこで「自分の実力を手元のお金に合うように努力をする」ことがポイントになってくると言います。この実力が伴わなかったとき、お金は出て行ってしまいます。しかし、また努力すれば、敗者復活戦もあるそうです。そんなものなのかもしれません。何度も起業しては成功と失敗を繰り返すようなするような経営者もいますもんね。私には未知の世界ですが勉強になります。
 個人的な結論としては貯金と努力ということになります。もっとも、自分の時給が高くなるかどうかは不明です。今の勤め先で、いつまで給料が出るかという問題もありますし。でも、そのときには貯金がものを言うでしょうから、やはり著者のアドバイスに従っておく必要はあります。

(ダイヤモンド社2005年1600円+税)

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