斉藤英治『頭の回転が良くなる10倍速読術』
速読術の本はどういうわけか速く読めてしまうのが不思議です。著者の頭の構造が反映してわかりやすく書けるようになるからでしょうか。
それはともかく、本書はかなりベタというかストレートなタイトルですが、内容はまともです。フォトリーディングやキム式のように超能力的なものではありません。私がやってきたのもこの方法です。
著者は20種類以上の速読法を実戦してみて、これを基本とすることにしたようですが、右脳や直感を使うというタイプの速読法も否定しているわけではありません。いろいろ使い分けるといいというわけですが、一番普通の読書の延長に近いのが、この視点移動を基本にした方法だそうです。なるほど。
実際、右脳や直感といっても、簡単にはマスターできそうにないのですが、つまらないと思った本は即座にやめるか、ぱらぱらとめくるだけにするというのも大事なことだという指摘は(これも右脳や直感の働きです)、本を一冊読まなきゃという強迫観念から解放してくれるので、気が楽になります。
ま、速読術と言っても大量の情報を処理しなければいけない評論家やノンフィクションライターのような人は自然に身につけているようです。その方法を意識的に分析してみたのが本書のいいところだと思います。速読術に関心のある人は、特に講座なんかに通わなくても、まずこの本を読んでみるといいと思います。良心的な本です。
(KKベストセラーズ2002年1300円+税)
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