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2009年10月 2日 (金)

髙山正之『変見自在 オバマ大統領は黒人か』

 オバマ大統領はお母さんがスウェーデン人だからクリオールで、欧米社会では白人とみなされます。純粋に黒人だったらきっと暗殺されていたことでしょう。実際、白人の血が一滴でも入った黒人は、植民地では白人に準じる支配階級として扱われ、その後白人が去っていったりすると内戦で殺し合いになるわけです。殺し合いになったら白人はすぐさま戻ってきて双方に武器を売りつけますが、いうまでもなく準白人グループを支持します。二重支配の極意です。東チモールやハイチがそうです。アフリカなんかはもう訳が分からなくなっています。
 本書は最新刊ですので、昨年までの連載記事が収録されています。相変わらずマスコミが口をぬぐっている情報が満載です。その中からいくつか箇条書きしてみます。

  • 土井たか子は身内が北朝鮮で働き、本人も向こうの血筋で向こうの名前もあるという報道に対して訴訟を起こしたが、それはともかく、有本恵子さんの直筆の手紙を持った両親が土井たか子に事情を話したら、一月もしないうちに「ガス中毒で死亡」したとの北朝鮮当局からの発表があった。そういえば引退も早かったし。
  • GHQで働いていたソ連のスパイ、エドガー・ノーマンは同志だった都留重人が証言したのを知ってカイロで自殺した。
  • キリシタン大名の高山右近は明石城下の神社仏閣を片っ端から壊して教会にした。
  • 同じくキリシタン大名の有馬晴信は火薬の素の硝石を得るために、とらえた敵軍の将兵や領地の女を海外に売っていた。この女性たちを天正遣欧少年使節の一行が現地で目撃している。
  • モンテスキューが『法の精神』で「黒人は人間ではない」とのたまった時代に日本人は「出島のオランダ人が奴隷を使っていることに酷く腹を立て、蔑んでいた」(157頁)
  • アメリカ連邦食品医薬局(FDA)が、血液凝固を促すフィブリノーゲンの製剤が肝炎ウィルスを感染させるとして承認の取り消しを行なった当時の米国には、当時の厚生省職員が17人も駐在していたが、「だれもそれを知らなかった。英語が分からない上に毎日遊んでいたからだ」(101頁)
  • ロシアのタンカー「ナホトカ」が二つに割れて重油が流れ出たとき、福井県などの各地の海岸で黙々と重油をすくう作業をしたのは、全国から駆けつけたボランティアと報道されたが、実際にはボランティアは全体の数の1割、残り9割は自衛隊員だった。
  • 海上自衛隊のイージス艦「あたご」にぶつかった漁船の親子は実は居眠りをしていた。
  • アフガンで井戸掘りをするボランティアが殺されたとき、リーダーの中村医師は犯人からの事前の数回の警告を無視していた。そのうち二度は銃撃を伴う威嚇だった。

 と、こうやって書いておけば自分でも忘れないのがいいところですが、中には強烈すぎて忘れようのないものもあります。一章丸ごと印象に残ったのは「裁判官の『相場』」という章で、一般に一人殺すと懲役10年前後で、およそ求刑の7掛けの判決になるというのがわが国の刑事裁判の相場ですが、これが女性には適用されていないということが丹念に調べて書かれています。勉強になりました。このことってフェミニストは気がついていないようですが、どうなんでしょう。
 裁判員制度で改善されることがあるとしたら、この点がそうかもしれません。
 ともかく、教科書や大手マスコミを通じては決して知ることのできない情報に満ちている大変な本です。

(新潮社2009年1400円+税)

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