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2009年10月13日 (火)

日垣隆『怒りは正しく晴らすと疲れるけれど』

 著者が雑誌「WILL」に連載した日記を1年と7ヶ月分まとめたものです。2008年2月から著者は1年半ほど休筆していたので、しばらく期間が空いているわけですが、この間の著者は鬱病から抜け出すべく格闘していました。かなり大変だったみたいです。
 私は著者のメールマガジンも購読していますので、応援団の一人として著者の健康の回復具合がいつも気がかりでし。ついつい新聞の訃報欄に目をやってしまうことがあり、時々送られてくるメルマガに、やはり同じようなことをしている読者の話が載っていて笑ってしまったことがあります(著者も笑っていましたが)。
 しかし、本書の後書きには「私はこれにて甦ります」とあるので、もう安心かなと安堵しています。実際このところ立て続けに著者の本が出ていますし、こりゃまた全部読まなきゃです。
 とにかく著者の読書量と執筆量は大変なものです。疲労が重なっているのも忘れるくらい働いていたのだろうと思いますが、本書によると、著者はいつも2時間寝ると起きてしまって、その間に仕事をしているという感じなのだそうです。仕事の間に細切れに眠って、ときには眠らずに、それでいて眠さを感じずに日々暮らしているのですから、やはりどこかで無理がきているのでしょう。医者からは睡眠障害だろけれど、本人が不都合を感じないのなら問題ないとも言われているそうです。うらやましいような気もしますが、まず私には真似はできません。
 こういう人から見ると、読者を舐めたような三流の言論人の仕事は本当に腹立たしいものだろうと思います。その辺の応酬もしっかり記されていますが、敵の慌てぶりが窺われて、どうかすると語るに落ちるような次第になっています。佐高信なんか読んでいるこちらが気の毒になるくらいです。
 本書で紹介されていた本で是非とも読みたいと思ったのが、色川武大の『うらおもて人生録』(新潮文庫)です。引き合いに出されている言葉をいくつか読むだけでも名著であることがわかります。人生の裏表をよーく見てきた人だけのことはあります。近いうちに入手して読んでみます。
 それから、名誉毀損の賠償額が平成13年春から急にそれまでの五倍となったのは、国会議事録を読んでいくと、公明党の議員だけがしきりに質問をして、それに対して最高裁事務局が値上げをする旨を約束しているという事実がわかるるそうです。ははーん、なるほどこれは新聞は書きにくい事実でしょうね。勉強になります。

(ワック株式会社2009年1333円+税)

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