山本武利責任編集『叢書 現代のメディアとジャーナリズム 第5巻 新聞・雑誌・出版』
新聞も雑誌も出版もみんな曲がり角に来ていますが、それを研究材料にしている大学の先生たちには、まだあまり危機意識がないようです。とりわけ本書の著者である大手の大学の先生方は安泰なご身分ですから、その点ではだめかもしれません。
それはともかく、問題は新聞も雑誌も面白くないというところにあります。不況になってでもあえて買おうという人は当然ながら少なくなるわけです。
本の出版も同じですが、出版業の不振については今に始まったことではないので、驚くまでもありません。私が出す予定のハンガリー法思想史の本も、9月頃に出版社から、なじみの印刷会社が不況で倒産したとの連絡が来て以来、何だか止まったままのようで、最終校正原稿はとっくに渡してありながら、怖くてその先の話を聞けないままです。えらいこっちゃです。
この業界の中でもとりわけ新聞は、配達システムを惰性で続けているというだけの理由でかろうじて持っているだけで、私の場合も新聞については、何が起こったかを確認するだけのために目を通しているだけです。それも、この事件についてはこういう記事になるだろうなと想像したとおりの論調で載っているので笑わずにはいられません。その点では朝日も産経も同じです。事件への突っ込みの甘さと記者クラブでの談合ぶりは実によく似ています。ほんとに何やってんだか。
私は、大事なニュースはインターネットのお気に入りのサイトと複数の有料メールマガジンから仕入れています。会員制の雑誌も取ろうかなと考えているところです。その一方で、新聞を読む必要はどんどんなくなっているので、もう少し給料が下がってくると、最初にやめるのは新聞になりそうです。
本書もお仕事用の本でしたが、感想は他のシリーズと変わりません。ただ、2005年の本なのですが、すでに古くなっているところがあります。こういう分野は書いていく端から古びていくところがありますので、執筆者は大変ですね。
(ミネルヴァ書房2005年3,500円+税)
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