井上宏・荒木功責任編集『叢書 現代のメディアとジャーナリズム 第7巻 放送と通信のジャーナリズム』
お仕事上の必要から読むほんの3冊目です。何せこのシリーズ全8巻を全部読まなければいけません。なんと退屈なことでしょう。こんなものを読んで何をするのかということは一応内緒ですが、まあよくある仕事です。
とりあえず読んだということでここに記しておきますが、題名からもわかるように、一般向けの本ではありませんので念のため。本書の中のコラムにもありましたが、ジャーナリズムとアカデミズムは相性がよろしくないとのことで(井上俊「ジャーナリズムとアカデミズム」本書216頁)、ということは、すなわち本書のようにジャーナリズムをあつかった論文集という体裁の本なんか到底面白くなるはずがないわけです。
それでも、アルジャジーラについて書かれた第7章なんかは興味深く読みました。ただ、独壇場(どくだんじょう)という独擅場(どくせんじょう)の誤記から始まった言葉が平気で使われていると、今や辞書にも載っている言葉ではあっても、筆者の知性に疑いを持ってしまいます。
アカデミズムもジャーナリズムも流行に敏感で腰の軽い人が世にはばかる傾向があるという点では実は双子のような関係にあります。仲が悪いとしたら近親憎悪のためでしょう。使う言葉もカタカナ言葉が多く、権威主義的でとりわけ外国の権威に弱く、内部的には親分子分的人間関係に支配されています。ジャーナリストが大学にも役人と仲良く天下りしてきたりすることも珍しくありませんが、それなりのルートが確立されているのでしょう。
全国どこの大学も結局のところ、こうして愚者の楽園になっていくのです。残念ながら、いよいよもって、本当にまじめな研究者が生きていく場所ではなくなりつつあります。
(ミネルヴァ書房2009年3,800円+税)
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