日垣隆『折れそうな心の鍛え方』
私の周囲では中年を過ぎてストレスやら過労やらで心が折れそうになっている人は少なくありません。たまたま私が鬱になっていないのも僥倖に過ぎないと思います。私の場合、週に3~4回大学生や高校生たちと一緒にバスケットボールをして、体を動かしているのが功を奏しているのだろうと思います。
単純に計算すると9月から今週の3日の祝日まで一日も休まず働きづめでしたが、夕方からバスケットをする日は元気いっぱいなのです。明日は高校の女子チームが出場する県大会の応援に行きます。その後、職場に顔を出して書類を整理して、レポート添削をして帰宅します。明後日は法事で弟の墓のある広島へ日帰りです。
というわけで、またしても土日はつぶれてしまいそうですが、まあ、勝手に働いているようなものですし、多少の睡眠不足になっても思いっきり体を動かした方が寝付きもよく頭も冴えます。こんなときは過労にならないようです。さらに、ナンバ走りでスロージョギングをするようになって、40代のときよりも体力がつきました。若いときにこれをマスターしていたら人生が変わっていたかもしれません。
とか言っていると、いつかコートでぽっくりなんてこともあるかもしれません。まあ、そのときはそのときですが、いずれにしても無理しているわけではなくて、楽しくて仕方ない状態なのがいいのでしょう。
さて、本書はサービス精神豊かな著者らしく、具体的に鬱状態から抜け出す方法が惜しげもなく開陳されています。どれも劇的な方法というわけではありません。むしろ、そんなのがあったらまゆつばものでしょう。小さなガス抜きを繰り返しながら徐々に立ち直っていくというのが本書のスタンスです。
気に入ったのは、頻繁に入浴し、頻繁に着替えるという気分転換法です。意外とこんなことから手をつけるというのがいいのかもしれません。また、セレトニンのはたらきを正常化させるには、よく歩くこと、よく噛んでものを食べること、腹式呼吸をすることなんてのが医学的にも裏付けられているそうです。陸上の高野進氏によれば、昔の人は一日にだいたい2万7千歩も歩いていたそうで、歩かなくなった現代人は、それなりに神経が病むリスクをしょっていることになりそうです。
ほかに効果のある手段として、出来るだけたくさん泣くことというのがあり、これも著者らしく「感動して泣ける映画」として30本が推薦されています。DVDで入手しやすいものだけが選んであり、本書を読んで是非とも見たくなった映画がいくつか出てきました。
今までに見たものとして「ライフ・イズ・ビューティフル」が取り上げられていて、当時の感動を思い出してジーンとしてしまいました。著者のセンスを信頼して見てみようと思った映画は「グッバイ・レーニン」「やさしい嘘」「グラン・トリノ」などです。
また、Buena vista social club は以前CDを知人にもらって愛聴していましたが、これ映画があるんですね。キューバを捨てなかった老人のミュージシャンたちのお話とは、、、是非とも見なくては。
(幻冬舎新書2009年740円+税)
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