蜂飼耳・ミヤハラヨウコ『のろのろひつじとせかせかひつじ』
童話です。荒川洋治が絶賛していたので読んでみました。その通りの本でした。
美しい言葉とその背景にある登場人物の心の動きが印象的で、一つ一つのシーンが心に残ります。
友情ないしは愛情の近いようでいて遠いような微妙な距離感がこの二匹の羊の間にあって、物語の柱になっています。こういうことが物語と文学の柱になるのかという新鮮な驚きがあります。地味だけれど確固たるオリジナリティーがあります。
本書を読みながら、自分がこれまでの人生の中で体験してきたいろんな友情を思い出しました。私には幸いなことに、自分が死んだ後もまたどこかで会いそうな気がするような友人が何人かいるのですが、そういう友人たちのことが浮かんできます。
夫婦でも恋人でもないのに深い縁を感じる友人たちというのは何なのでしょうね。もちろん、こちらが勝手にそう思っているだけでしょうけれど、何だかただならぬ縁を感じます。江原啓之ならソウルメイトと言うところでしょう。
私は娘のために買いましたが、心優しい友人に贈る本としても最適の一冊です。
(理論社2009年1200円+税)
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