芝池義一『行政法読本』
最近は行政法の教科書類も面白いものが揃ってきました。私の学生時代は無味乾燥なものが多かったことを思うと、隔世の感があります。行政法は公務員試験の科目として、面白くはないけれどやらなくちゃという感じで、みんな嫌々ながらやっていたという記憶しかありません。
当時公務員に受かった連中でも、この法律科目を面白いと思っていた人はおそらくほとんどいなかっただろうと思われます。ただし、受験技術的にはパターンが限られていて、勉強の効果が現れやすい科目でもあったので、専門学校で受験科目として指導する立場になったときには結構楽でした。
実は私は行政法の公務員受験用参考書を書いてもいるので、重要な法律改正があると、そのたびに改訂版を出さなければなりません。近年では行政訴訟法の大改正がありましたので、その時改訂してはいましたが、昨年は政権交代もあり、そして、何よりも行政法の優れた研究所や教科書が充実してきたため、この春にはまたそうした諸成果を取り入れた改訂版を出すつもりです。
本書もそのために読んでいるのですが、なかなかいい本です。特に、20題以上収録されている具体的な設問が理解を助けてくれます。学説の対立にはスペースを割かずに、身近な設題によって基本概念が理解出来る仕組みになっています。公務員試験用として全体を把握することができるいい本だと思います。
初学者に優しい作りですので、通信教育部の教材にしたいのですが、価格がどうしても高くなるのが問題です。参考書に挙げておきましょう。
(有斐閣平成21年2800円+税)
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