ロンブ・カトー『私の外国語学習法』
大学を出るまで語学が苦手だった著者は、本書で紹介されている方法によって他国に留学したりしないで、16ヵ国語をマスターしてしまいました。5ヵ国語の同時通訳、10ヵ国語の通訳、16ヵ国語の翻訳者として活躍したという超人的な人です。
しかし、その方法というのは決して奇を衒ったものではなくて、週平均10~12時間の学習時間を確保することを最低限の条件として、読書を中心に取り組むものです。
しかし、この読書中心というのが特徴的ではあります。とにかくわからない単語が出てきても辞書を引かずに文脈からその意味を想像しながら読んでいくというものです。小説なんかを読むなら結構行けるかもしれません。
確かに、興味がある分野の本を選んで、どんどん読んでいくというのは、あとから単語の意味がわかったときには、電光石火のように全体が了解されて、パズルを解くような面白さが得られます。
かつて清水幾太郎がこの方法を勧めていましたが、やってみると途中で何だか不安になってしまって、どうしてもパズルのように楽しむには至りませんでした。当時は今ひとつ著者を信頼していなかったのでしょう。しかし、思えば清水幾太郎もまた語学の達人でしたね。
それならばと、ここで心を入れ替えて、この方法を徹底してみることにしました。早速C.S.ルイスのTill We Have Facesという小説を読み始めたところです。これは翻訳がひどいところがあるので、原文で読みたいと以前から思っていたものです。数独パズルのようなつもりで読んでみます。
面白そうなことを自分自身を実験台にしてやってみるのは結構好きなので、ナンバ走りやスロージョギングなどに続いてやってみるつもりです。それらしい成果が上がったら報告します。
そうそう、スロージョギングは確かに効果的です。歩くより遅い速度で30分~40分走ることを続けると、驚くほど持久力がつきます。いまだに学生たちとバスケットボールのゲームができるのはこのおかげです。
(米原万里訳ちくま文庫2000年950円+税)
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