ディーノ・ブッツァーティ『シチリアを征服したクマ王国の物語』天沢退二郎/増山暁子訳
ブッツァーティの童話です。挿絵も本人が描いていて見事です。休日の午前中にでもゆっくりと読みたい本です。愛と勇気、悪と裏切りがうまく盛り込まれていて、結構はらはらどきどきさせられます。
イタリアではこの作品中の詩を子どもたちが口ずさんでいるそうですから、原文はよほどリズムがいいのでしょうね。
本書の中に「トロル」という人食い鬼と「マンモーネ」という巨大な化け猫が出てきますが、これは宮崎駿の「となりのトトロ」で、めいちゃんがトロルと言えなくてトトロとなったあのキャラクターのことでしょう。化け猫は「猫バス」ですね。
キャラクターの役割もお話もまったく違いますが、近代文明に批判的な視点はブッツァーティも宮崎駿も共通していると思います。でも、宮崎駿は自前の想像力が豊かなので、ディズニーの「ライオンキング」のようなバカな真似はしないわけです。
そういえば先週立ち読みした髙山正之のエッセーでは、スターウォーズが石ノ森章太郎なんかのパクリだと指摘されていて、なるほどそうだったのかと感心させられました。氏によると中国とアメリカは二大パクリ大国だそうですが、相手が文句を言わないととことんやってしまうところは確かに似ているかもしれません。
(福音館文庫2008年650円+税)
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