ライアル・ワトソン『いのちの教室 アフリカの大地が教えてくれたこと』難波裕子訳
ライアル・ワトソンの子ども時代の思い出が綴られています。『思考する豚』に出てきたイボイノシシのフーバーの話も出てきます。ズールー族の元酋長で使用人だったジャブラや、猛女とでも言うべき迫力と深い愛情に満ちた祖母の話も含まれた三部構成で、どの話も面白かったです。
ジャブラは盗賊団から著者の命を救ってくれますが、その救出のシーンは印象的です。
祖父なんかは亡くなったときに、祖母とジャブラの手によって、こっそりと鳥葬というかハイエナ葬にされてしまいます。もちろんそれは故人の遺言通りではあったのですが。
ワトソン家で面倒を見ていたイボイノシシは、密猟者を木の上に追い詰めてとんでもなく勇気のあるところを見せてくれます。
著者はこうした彼らから動物や植物と対話する方法を教わり、そして何よりあくなき好奇心と大胆な行動力を受け継いだようです。
それにしても、アフリカの自然も著者が子どものころに比べると、ずいぶん滅んできたこともうかがわれますが、今後どうなっていくのでしょう。人間が自然から学ぶことのできる機会はどんどんなくなってしまうのでしょうね。
(PHP研究所2009年1200円税別)
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