C・S・ルイス『子どもたちへの手紙』中村妙子訳
『ナルニア国ものがたり』の著者だけに世界中の子どもたちからファンレターが舞い込んでいたのは当然ですが、こまめに返事を出していたというのは驚きです。本書はルイスから子どもたちへの返事を集めたものですが、読み応えがあります。
子どもだからといって相手を舐めることなく、真剣に返事を書く姿勢はルイスの生き方を象徴していますが、すごいことです。実際、子どもたちの中にはルイスの意図を世の中のインチキな評論家たちよりもはるかによく理解できている読み手がいるのですから、そのことにさらに驚かされます。
ルイスは自身の作品の中で『愛はあまりにも若く』を「いちばんいいと考えているのですが、そう考える人はたくさんはいません」(124頁)と言います。でも、子どもたちの中には、あのすごい本のメッセージを的確にとらえている読者が少なからずいることがわかります。
印象に残る箇所は他にも多々ありますが、一番気に入ったのは次の文章です。
「そう、来世を信じると感じ続けることは、たしかにむずかしいものです。でもこの自分が死んだとたんにまったくなくなってしまうと信じつづけることだって、同じくらいむずかしいものじゃないでしょうか。それがどんなにむずかしいかわたしが知っているのは、クリスチャンになる以前のわたしは、いつもそう信じようとつとめていたからなのです」(105頁)
わが国に支配的な自称「無宗教」的な宗教意識について考える上でも、ルイスはいつもいいヒントを与えてくれます。
(新教出版社1981年、2005年復刊2200円+税)
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