阿部泰隆『対行政の企業法務戦略』
企業の法務担当者や顧問弁護士にとっては必携の本だろうと思います。具体的実践的なアドバイスと理論武装の道具が一式揃っています。行政法がこれほどまでに武器になるとは思いませんでした。さすがに弁護士としても行政訴訟を担当されてきた著者だけのことはあります。
もちろん他の著作と同様、著者独特の語り口も失われてはいません。あまりにもわかりやすいたとえには笑いを禁じえません。たとえば、
「許可を受けた飲食店が繁盛するので、その隣に調理場を増設した。許可は得ていない。料理を運んでくる。そのことがわかってあなたはその飲食店に行きますか」(230頁)
「ある学生寮で、男女の部屋の間にドアがあり、開けることができるが、明確に分離されているといったら、誰が信ずるだろうか」(同頁)
といった具合ですが、これは神戸空港が法的に明らかに売れない土地を売れると称して造成している小型機用の土地のことです。
そういえば、神戸空港の利用客は当初の見込みの3分の1にも満たないという報道がありましたが、市の計画のずさんさには改めて驚かされます。いっそ海兵隊の基地をここに置いたらどうでしょう。静岡空港でもいいかもしれません。どうせ数年後に海兵隊はグアムに行くことが決まっているのですから。
(中央経済社2007年2,800円税別)
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