植島啓司『生きるチカラ』
植島先生の人生論です。ここのところ著者の本は読んでいませんでしたが、本書で関西大学をお辞めになって貧乏生活をされていたりしたこともあったと知って、天性のギャンブラーの生き方を実践されていることがわかりました。
伝え聞くところによると、若い頃は着流しで懐に札束を入れてヤクザと麻雀を打っていたそうです。麻雀放浪記みたいですが、人類学者として世界中のいろんなところを放浪されてもいます。大学勤めが合わなかったのもうなずけます。
そうと知ると、いい加減な読者を代表するような私ですが、しばらく読んでいなかった著者の本をまとめて読んでみようかという気になってきました。
本書はそうした著者のギャンブル的人生観がどことなくのんびりと述べられていて、いい感じの読後感が得られます。随所に挿入される逸話が面白くて、ついつい真面目に働くことが自己目的になりがちな凝り固まった頭を柔らかくしてくれます。
本書からは著者の魅力的な人柄が伝わってきます。きっといいお友だちがたくさんいるのでしょう。それは本書には書かれていませんが、著者の「生きるチカラ」を支えてくれる存在なのだろうと思います。
(集英社新書2010年700円+税)
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