森毅『人生20年説 人は一生に4回生まれ変わる』
副題のように、20年ごとに人生を分けて考えたらどうかという一風変わった提案です。人が思いもつかないようなことをテキトーな雰囲気で言ってのけるところが著者の持ち味ですが、全編そんな放談でできています。インタビューからまとめられたようですが、それがかえってリラックスした雰囲気を伝えています。
著者はかなりの読書家なので、話の間にいろいろな「へぇーっ」という逸話が挟まれていて楽しめます。白雪姫やヘンゼルとグレーテルの原型は継母ではなくて実の母親だったんですね。残酷だってんで、グリムが改竄したそうです。法学者でもあったグリムってたいしたことないのかも、と思ってしまいました。
また、「えらい人から教わる能力はたいしたことなくて、それより高級な能力はアホから教わる能力。普段アホやと思っている奴が、意外といいこと言うことがある。あるいは、言ったことがヒントになることがある。先生から教わるのは当たり前なことで、妙なこと言ってる奴から何か学ぶ方が難しい」(32頁)とも。
そうなんですよ。いろんな学生と接しているとよくわかりますね。あいつはアホやと見下すのはまだまだ修行が足りないのです。大学の先生なんてそんな人が多いので、学会なんかに出ると息が詰まります。でも修行が足りないだけあって、ご本人の研究はオリジナリティが何もなかったりします。アホに学んでないからでしょう。
お勉強のできる(できた)バカになってはいけませんね。真剣に学問するアホになりましょう。
(イースト・プレス1991年1200円税込)
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