« H・ケルゼン『ヤハウェとゼウスの正義』ケルゼン選集4、長尾龍一訳 | トップページ | 渡辺幹雄『ロールズ正義論の行方 ―その全体系の批判的考察』 »

2011年1月24日 (月)

群ようこ『都立桃耳高校 ―神様お願い!篇―』

いやー、面白かったです。なまくらな脱力系青春群像小説です。同世代の人にとっては懐かしい時代設定でしょうね。私の場合は著者の4年下なので、サブカルチャーが少しずれていますが、兄や姉のいた同級生の趣味はこんなんだったよねーって感じです。

ジミヘンやジャニス・ジョプリンあるいは「はっぴいえんど」なんてのは私にとってはお兄さんお姉さん世代の趣味で、ちょっと大人の感じが今でもしているのは不思議です。

主人公は作者とほぼ等身大の感じですが、太目のロック少女でミッキー吉野に似ているという設定はなかなか強烈です。読んでいると登場人物のものの見方がどことなく米原万里さんに似ているような気がしてきました。

本書に出てくる文科系サークルの部室で何するでもなくお茶を飲んでいる感じというのは、練習が休みの日に部室でボール磨きをしてみんなで駄弁っていた自分の高校時代の思い出と重なります。そこはかとなくほのぼのとした楽しいひとときでしたが、私の入っていた当時のバスケ部は、その学年に限ってお勉強が苦手な連中が男女ともにたくさん集まっていました。そういえば大半が数学で赤点を取って補習を受けていたこともありました。ただ、みんなバスケだけは大好きでした。

この間の同窓会も当時と変わらない感じで話ができたのは幸せでしたが、一人早世した仲間がいてびっくりしました。これからはますますお互いにご無事で何よりという感じになってくるのでしょうね。

それにしても著者の文章はいつも勢いがあって切れがいいです。品がいいところも素敵です。

(新潮文庫平成12年438円税別)

|

« H・ケルゼン『ヤハウェとゼウスの正義』ケルゼン選集4、長尾龍一訳 | トップページ | 渡辺幹雄『ロールズ正義論の行方 ―その全体系の批判的考察』 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。