後藤正治『奇蹟の画家』
石井一男の絵を何かで見て衝撃を受けたので読んでみました。口絵にある「女神」で涙がこぼれました。何でしょうね、この絵のすごさは。
個々の女性を通じてみてもそれには到達できないのに、あらゆる女性に共通して存在している女性性や母性のイデアが見えるのかもしれません。見方によっては地蔵菩薩のようにも見えるし、イエスの顔に見える人もいるようです。
著者はこの石井一男の絵に人びとがどのように引きつけられ、どのように関わりを持っていったのかを綿密に取材しています。そうした人びとが石井一男を発見してくれたからこそ、多くの人が知るようになったのですから。
石井一男の絵は完売状態とのことで、せめて図録でも手に入るといいのですが、難しそうですね。神戸に行って関係者に会ってみようかなという気にさせられる本です。
(講談社2009年1700円税別)
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