石黒マリーローズ『キリスト教で見るもうひとつのアメリカ』
アメリカ人の政治演説や報道に聖書の知識がどれくらい下敷きになっているかを丁寧に解説した良書です。原文が収録されているので正確な知識が得られます。
こうしてみるとアメリカはほんとうに宗教国家だなあということがよくわかります。ヨーロッパも大陸の諸国ではアメリカほどストレートに聖書を引用しないと思いますが、どうでしょう。フランスなんかはこれほどではないような気がしますし、ハンガリーもこんなことはないと思います。政教分離原則についての意識の違いもあるかもしれません。
本書に出てくる英語の原文は思ったより難しくないものが多いのですが、それだけに聖書の背景を知らないとわけが分からなくなるという事実も際立ちます。
気になる点を一つ。著者はレバノン生まれでご主人が日本人なのですが、ご本人はどういう宗派でどのような教育を受けてこられたのかということがよくわかりません。他の本には書いてあるかもしれないので、もう少し読んでみます。
図書館で借りて読みましたが、本書は常に参照できるように自宅の本棚に常備しておくつもりです。
(日本経済新聞出版社刊、日経プレミアシリーズ2010年)
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