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2011年2月 3日 (木)

清水義範『アキレスと亀』

結構毒のあるパロディ小説です。このようなジャンルをパスティーシュとか言うそうですが、文体模倣なんかお手のものです。いかにもそれらしい人がそれらしいことを言うのがたまらなく可笑しいです。

などと思いながら読み進めていくうちに、本書を以前読んでいたことに途中の短編から気が付きましたが、そのまま二度目を読んでしまいました。二度目も面白かったです。

当時気がつかなかったのか、忘れていたのか「超現実対談」に出てくる高杉源一郎という社会学の大学教授は、明らかに栗本慎一郎でした。口ぶりまでよく似せてあります。相手の純文学作家、板下陽介というのはよくわかりません。吉本隆明ではないみたいですし、特定のモデルはいないのかもしれません。

実際には険悪なムードの対談だったものが、編集者の手が入って穏当な読み物になっていく様子がうまく描かれています。

著者の本と群ようこの本で文庫になったものは以前ほとんど買い集めて読んでいましたが、ここ何年か読まなくなっていて、その間に新たに文庫がたくさん出ています。またおいおい読んでいこうかと思っています。

(角川文庫平成4年485円+税)

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