福島香織『中国のマスゴミ—ジャーナリズムの挫折と目覚め』
マスコミかと思ったらマスゴミって、すごいタイトルです。まあ大方はその通りなのですが、単純な中国批判本ではありません(日本もかなりのゴミですから)。
中国のあの苛烈な一党独裁体制の中でも少数ながら気骨のあるジャーナリストたちがいて、本書ではその彼らの粘り強く闘っている姿がしっかりレポートされています。
著者はそうした真のジャーナリストたちに共鳴し、共に闘おうとしています。思い上がったところが全然ないのもすばらしいと思います。元新聞記者で大学の先生をやっていた知人はとんでもなく下品な男で、ほどなくセクハラでクビになりましたが、自分がひとかどの人物だという演技をだけは欠かしたことがありませんでした。著者の書くものからはそうした偉そうなそぶりがまったくうかがわれないのが気に入っています。
中国は相変わらず共産党一党独裁体制で、かつての東欧諸国に近いのですが、そういうところで闘っていると、深く物事を考え、鋭い洞察力を持つようになる人がちらほらと出てくるものです。長平とか李大同とか本当に立派ですね。そういう人びとの言論を紹介してくれると本当に勉強になります。
(扶桑社新書2011年760円+税)
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