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2011年3月13日 (日)

長谷川晃『公正の法哲学』

学会で井上達夫氏から「なんでそんなにいやらしい考え方するの」と面罵されていた(という噂)話を聞いたことがあって、どんな考えの人なのか興味がありましたが、一生懸命外書を読んで懸命に考えられた法哲学の本でした。

カタカナが多くて、学部の学生たちには読むのがつらいテクストだとは思いますが、私にはどこが「いやらしい」のかはわかりませんでした。もっとも、東大出身の法哲学の人たちは、きつい言い方をするのが流儀のようなところがあるので、その応酬の一つだと考えた方がいいのかもしれません。どうせ噂話だし。著者も東大出身なので、ひょっとしたらプロレスないしは大相撲みたいなものだったのかもしれません。

この点で私なんかむしろ本当に「いやらしい」方に属しているのかと思ったりしています。研究会では「傲慢だ」とは言われてますしね。それはともかく、著者が外国人タレントの援用ではなく、ご自身の言葉できっちりと書かれていると思われるところは、私にもしっくり来ます。とりわけ正義についての理論的立場としては妥当なものだという感じがします。

ただ、結論がちょっと図式的になりすぎて、かえってわかりにくいところが出てきますが、たぶん読む側のこっちの気が短いところに原因がありそうです。それでも、著者が新書で一般読者向けにこの内容を書いてくれたらやはりありがたいと思います。

図書館で借りて読んだので、今度買って手元に置いておきます。(本当は研究費で買ったのですが、研究室を別棟に移動するときに図書館から返却命令が出て、返さざるをえなかったのです。自分で買った本をあらためて借りたのはそのためです。ひどい環境でしょ。ま、商売道具は自分で買えということですね。)

(信山社出版2001年)

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