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2011年3月 5日 (土)

渡辺京二『江戸という幻景』

江戸時代についての驚きが詰まった本です。江戸は奥が深い。今まで漠然と抱いていた通念はことごとく吹き飛んでしまいます。著者自身が多くの文献にあたりながら素直に驚いていて、その驚きを読者として共有できる本です。

甲野善紀さんのツイッターで触れられていたエピソードも見つかりましたが、あらためて驚かされます。それによると、「喧嘩で人を殺した者は自分の命も捨てねばならぬというのは人の道の根本であった。でなければ殺し得、殺され損になるからである。人の道は命より重かったのである」(91頁)ということです。

今は人の命は地球より重たくなって久しいので、とりわけ今日のわが国には武士がいなくなってしまいました。エリート官僚からして保身しか考えない小役人根性しか窺われないのが情けないです。

そして、今やこの風潮は一億総官僚化社会となって全国に浸透しています。お役人だけではなくて、民間企業や学校でもそうですもんね(学校なんて元からそうだったのかもしれませんが)。トップが責任だけは取らないという小役人根性が目に余ります。

トップから率先垂範ということで、切腹してもらいたいくらいです。今のイスラム諸国を見倣って、声なき者たちが声を上げていかないとどうにもならないようです。しかし、声なき者がすでにすみずみまで小役人化していて、声が上がらないのも事実です。どうしましょう。

話がずれました。本書は読んでおいて損はありません。名著です。本書を手がかりに江戸時代の代表的な文献をこれから読んでいくつもりです。

(弦書房2004年2400円+税)

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