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2011年3月25日 (金)

小島寛之『数学的思考の技術 不確実な世界を見通すヒント』

数学的思考というのは数学そのものとは違って、論理と図式と想像力(イメージとパターンの形成力)を駆使して、混沌とした世界に規則性を見いだそうとする思考法のようです。著者は村上春樹の小説をその種の思考法と想像力の発露を見ています。私は村上春樹の最初の2作品くらいしか読んでいないので、そのあたりはわからないのですが、著者の言おうとするところはよくわかりました。

本書には経済学のゲーム理論その他がたくさん出てくるので、特に数学を意識しなかったら経済学の本と思われても不思議ではないくらいです。おお!これは授業の話題に格好の例だなどと思いながら、あっという間に読んでしまいました。

経済学としては、宇野弘文や小野善康が高く評価されています。なるほどそんなことを言っていたのか、と不勉強な私はこれをきっかけに特に小野善康の本は読んでみようと思いました。

本書では環境保護型の経済政策の意義が説かれていましたが、東日本大震災の都市再建も、是非とも魅力的な街となるよう工夫して取り組んでもらいたいものです。ジェーン・ジェイコブスの挙げる魅力的な街の4条件とは、

1.「街路の幅が狭く、曲がっていて、一つ一つのブロックの長さが短いこと」
2.「古い建物と新しい建物が混在すること」
3.「各区域は二つ以上の機能を果たすこと」
4.「人口密度ができるだけ高いこと」

だそうで(158頁)、少年の頃の自分がこんな街に住んでいるとしたらわくわくしてきますね。

(KKベストセラーズ2011年800円+税)

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