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2011年6月26日 (日)

大前研一『お金の流れが変わった! 新興国が動かす世界経済の新ルール』

つねに世界の景気のいい国々に流れ込もうとしている「ホームレス・マネー」を以下に呼び込んで経済を発展させるかということが具体的提言とともに説かれている本です。勉強になります。

実際このところ目覚しい経済発展を遂げているBRICs諸国をはじめ、人口一人当たりのGDPでわが国を抜き去ったシンガポールも、みんな自国の資本で発展を遂げたわけではありません。

4000兆円といわれるホームレス・マネーは日本の官僚や裁判官のように、ことさらに妨害しない限り、国境を軽々と越えていってしまうので、国内だけで考えるマクロ経済政策はほとんど無効になってしまっているのです。

こうした事情をよく観察し、論理的思考を積み上げて、なおかつ直感でジャンプすると著者のようなユニークでかつ説得力のあるものの見方ができるようになるのでしょう。

たとえば、日本航空は資産内容のいいJR東日本に買ってもらい、陸と空とを機能的に融合させる(162頁)とか、日本の鉄道会社のビジネスモデルを世界で売る(173頁)といった具体的提言はきわめて有効だと思われます。こうした提言を真剣に受け容れて実行してくれる企業が出てくるといいのですが、集団IQの低下した臆病な経営者たちにはそんな勇気がこれっぽっちもなさそうな気がします。

しかしそれはそれとして、もはや今日では、著者が憂慮するように、日本国債が暴落して国民の預貯金1400兆円が消えてしまうという最悪の事態(デフォルト、預金封鎖、ハイパーインフレあるいはそれらの組み合わせ)に至らないことを祈るばかりです。

(PHP新書2011年724円税別)

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