橋本治=文・さべあのま=絵『花物語』
橋本治が日本文学の伝統の正当な継承者だということにあらためて気付かされる本です。作品世界にさべあのまのイラストが実によくマッチしていて、絵本というには字が多いですが、絵とのコラボレーションという意味でも成功しています。
自然の情景や風物、人生の節目の行事などが四季の流れを感じさせるように上手く構成されていて、14の短編が4月に始まり3月に終わるように出来ています。何気ない話でも絵とともに心に残るようになっています。巻末対談にもありますが、著者がイラストにさべあのまを指定した時点でもう全体のイメージは出来ていたようです。
このイラストがもしも西原理恵子だったらこの話はありえないでしょう。でも、そんな本もあったら読んでみたいです。『パーマネント野ばら』なんか実によかったですもん。
登場人物にはおそらく全て作家のキャラクターの一部が入っていると思いますが、とくに最初の短編「サクラ草」は橋本治少年そのものって感じです。この短編に限りませんが登場事物が自然と交信するところが日本文学の伝統と強くリンクしている感じがします。
(ポプラ社2009年680円+税)
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